MCNとは何か?インフルエンサーネットワークの重要性について
【重要】本記事は2017年1月時点の情報を基に執筆しています。記事内で紹介しているMCN(マルチチャンネルネットワーク)を取り巻く状況は、以下の通り大きく変化しています。①「影響力の大きさ」の例として紹介したウォルト・ディズニーによるMaker Studiosの買収(2014年)については、2017年5月にDisney Digital Networkへ統合され、提携クリエイターの数を大幅に絞り込むなど組織再編が進みました。②記事内で引用しているUUUM創業者の鎌田和樹氏は、2022年6月に代表取締役社長CEOを退任して取締役会長に就任し、2023年9月には会長も退任してファウンダー兼名誉顧問となっています(現在のUUUM代表取締役社長は梅景匡之氏、UUUM公式発表より)。以下の本文は当時の情報として(参考)のまま残しております。MCNの現在の状況については本記事後半の「現在のMCNをめぐる状況」もあわせてご確認ください。
インフルエンサーマーケティングに興味をお持ちの方であれば、「マルチチャンネルネットワーク(MCN)」というキーワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
本記事(参考)では、2017年当時の視点でマルチチャンネルネットワーク(MCN)とは何なのか、について解説します。
(参考)マルチチャンネルネットワーク(MCN)とは?
マルチチャンネルネットワーク(MCN)について、YouTubeのヘルプページでは下記のように定義されています。
マルチチャンネル ネットワーク(MCN)とは、複数の YouTube チャンネルと提携し、視聴者の開拓、コンテンツのプログラミング、クリエイターのコラボレーション、デジタル著作権管理、収益化、営業などを含むサービスを提供するサードパーティ サービス プロバイダです。
マルチチャンネル ネットワーク(MCN)の概要 - YouTubeヘルプ
少し言い回しが難しいのですが、マルチチャンネルネットワークとは、YouTubeに登録されているチャンネルをまとめたネットワークのことを指しています。
ここ数年(当時)でMCNと呼ばれている企業を見てみると、再生回数の多いYouTuberが多く所属し、彼ら彼女らのマネジメントを行っているタレント事務所のような形態となってきていました。
「YouTuberのためのタレント事務所」という認識でも大きく外れてはいないでしょう。
2014年4月にはウォルト・ディズニーがMaker Studiosというウェブ動画のMCNを5億ドルで買収するなど、当時海外では非常に大きな影響力を持つに至っていたMCN。
当時はYouTubeやインフルエンサーを活用する際には外せない重要キーワードでした。
(参考)Youtubeだけじゃない!ネットワーク化の重要性
先ほど紹介したMCNの定義ですが、指している範囲がYouTubeに限定されており、インフルエンサーマーケティング界隈では「狭義である」と言われています。
例えば、当時UUUMの代表取締役社長でCEOだった鎌田和樹さんも(2016年当時のインタビューで)
MCNとは「Multi Channel Network」のことですが、狭義にはYouTubeのネットワークを指しているものの、字義的には Multi Channel ですから、広義にはYouTubeだけを指すわけではなく、様々なメディアを束ねる存在としてMCNという言葉を捉えるといいのかなと思っています。
と当時述べていました(前述の通り、鎌田氏は2022年6月にCEOを退任しています)。
UUUM鎌田CEOに聞く:クリエイターとコンテンツが最重要になっていく、動画ビジネスとMCNの未来。
当時から、消費者に直接かつ視覚的にリーチする手法はYouTubeのチャンネルだけではありませんでした。
例えばInstagramやTwitter(現在のX)も、非常に効果的なチャンネル(チャネル)です。
より多くの属性に多面的にリーチをするためには、YouTubeだけではなくInstagramやX(旧Twitter)などのSNSも組み合わせたプロモーションを仕掛けていく方が良いでしょう。
それぞれのSNSには閲覧されるシーンや特徴もあるため、発信者だけでなく媒体も変えることが効果的です。
自社の製品プロモーションに適した媒体を選び、それらを包括・ネットワーク化したプロモーション設計やディレクションを行える代理店に依頼を行うことが、プロモーションを成功に導くコツとなります。
(参考)マイクロインフルエンサーをネットワーク化し活用!
ネットワーク化することでより効果的に活用できる1つの事例が、マイクロインフルエンサーです。
超有名YouTuberの場合、単体でも相当数のリーチを稼ぐことができます。
多数のYouTuberをネットワーク化しているMCNに対してプロモーション依頼をしたとしても、超有名YouTuberの起用をしたいという依頼の場合はコストの兼ね合いもあり単体での起用で終わってしまう事例が多く見られます。
このときMCNの役割は「YouTuberネットワークの活用」ではなく、多くの費用がかかってしまうYouTuberに対してマネジメントやコンテンツ企画を行い、少しでもROIを高めるというものになります。
一方で下記の記事でも述べられている通り、超有名なインフルエンサーよりもマイクロインフルエンサーを多数起用したほうが、より多くのエンゲージメントが得られる事が分かってきています。
プロモーションの内容や目的にもよりますが、MCNを活用するのであればひとりのパワーインフルエンサー・有名人にコストを全投下するのではなく、ネットワークを活かし多数のマイクロインフルエンサーを起用するプランについても検討してみてはいかがでしょうか。
現在のMCNをめぐる状況
上記は2017年当時の視点での解説ですが、MCNを取り巻く環境はこの数年で大きく変化しています。
ディズニーによる大型買収の象徴だったMaker Studiosは、2017年5月にDisney Digital Networkへ統合され、契約するクリエイターの数を大幅に絞り込むなど組織の見直しが進みました。初期の「多数のクリエイターを広くネットワーク化する」MCNモデルは、少数のトップクリエイターに集中投資する方向へと変化しています。
国内ではUUUMなどのMCN事業者は今も事業を継続していますが、経営体制は初期から大きく変わっています。前述の通り、創業者の鎌田和樹氏は2022年6月にCEOを退任して会長に就任し、2023年9月には会長も退任してファウンダー兼名誉顧問となりました。
また、「MCN」という呼び方自体も、YouTube一本のネットワークという狭義の意味合いを超え、TikTokやInstagramなど複数プラットフォームを横断してクリエイターを支援する「クリエイターエコノミー」事業者として語られることが増えています。規模拡大を優先するフェーズから、収益性や事業の多元化を重視するフェーズへと、業界全体が成熟期に入っていると言えます。
こうした変化を踏まえると、インフルエンサーやクリエイターを活用する際は、特定のMCN事業者のブランド力や規模だけでなく、各事業者の現在の体制や得意分野、所属クリエイターのプラットフォーム別の強みを最新情報で確認したうえで検討することが一層重要になっています。
まとめ
MCN(マルチチャンネルネットワーク)は、複数のクリエイターやチャンネルをマネジメント・ネットワーク化する事業者という基本的な概念は今も変わっていませんが、統合されたMaker Studiosの事例やUUUMの経営陣交代に見られるように、中身の企業・体制は大きく変化しています。インフルエンサーマーケティングにネットワークや代理店を活用する際は、本記事のような基本概念を押さえたうえで、各社の最新の体制や得意領域を必ず公式情報で確認することをおすすめします。
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