【今さら聞けない】ソーシャルコマースとは?特徴やメリット、事例を解説
【重要】本記事は2022年11月時点の情報を基に執筆しています。記事内で紹介している「Twitter Shops」は、TwitterがXへ名称変更された後もショッピング機能の提供が一部続きましたが、2026年2月時点ではXのショッピング機能は米国ユーザー限定に縮小されています。一方、TikTok Shopは2025年6月に日本でも解禁され、SNS上で商品を直接購入できるソーシャルコマースの主要な形態として存在感を増しています。以下の各SNSの機能・状況は執筆当時の(参考)情報としてご覧いただき、最新動向は本記事後半の「【2026年版】ソーシャルコマースの最新動向」もあわせてご確認ください。
(以下、2022年11月時点の情報です)
インターネットやスマートフォンの普及とともに、Eコマース市場は年々拡大しているが、その中でも、ECとソーシャルメディアを掛け合わせたソーシャルコマースのニーズが高まっています。ソーシャルコマースは、ECサイト構築の手間やコストが省けるだけではなく、顧客の囲い込みやカート離脱の防止といった効果が期待できるのです。
今回は、企業がソーシャルコマースを活用するメリットと成功事例について解説します。

1. ソーシャルコマースとは?
ソーシャルコマース (ソーシャルEC) とは、SNS (ソーシャルメディア) やサイト上で、他のユーザーとつながったり、コンテンツを共有しながら、商品やサービスを宣伝する仕組みのことです。ソーシャル(social)とは、英語で「社交的」「人とつながること」を意味するので、人と情報を共有しながら取引が行われるのが、ソーシャルコマースの特徴です。
ソーシャルコマースには、いくつか種類があります。FacebookやInstagramのように、ECサイト運営者のためにSNS上で商品を宣伝する機能を提供したり、オークションサイトのように、サイト上で他のユーザーとつながり、購入取引が行われるタイプのソーシャルコマースもあります。
2. なぜソーシャルコマースなのか?
現代人にとって、スマートフォンは毎日の生活に欠かせない物になりました。そして、スマホを持っている人であれば、誰しもが使っているアプリは何でしょうか?
もちろんSNSです。
2022年の時点で、日本でのSNSの普及率は83%以上にも達しました。ネットショップ運営者やオンラインでサービスを提供している人なら、これだけの人数が集まるプラットフォームに参加しないわけにはいきません。
SNSは、家族や知り合いとつながる場というだけでなく、興味のあるトピック、流行や、商品の口コミを検索できるプラットフォームでもあります。多くの一般消費者の目にとめてもらえるSNSは、ネットショップ運営者には強力な味方になります。
3. ソーシャルコマースの種類
ソーシャルコマースにはいくつか種類があります。代表的なタイプを見ていきましょう。
3-1.CtoC型
CtoCとは、Consumer to Consumerの略で、サイト上でユーザー同士が取引を行います。ヤフーオークション、メルカリ、eBayなどが代表的なサイトです。
3-2.SNS・ソーシャルメディア型
SNSのプラットフォーム上で商品を宣伝できる仕組みです。Facebook上で商品を管理できるFacebookショップや、Instagramショッピングなどが、このタイプのソーシャルコマースです。
3-3.レコメンド型
SNSやコンテンツプラットフォームが持つ、アルゴリズムによる「おすすめ表示」機能を通じて商品と出会わせる仕組みです。TikTokの「おすすめ」フィードやPinterestの提案表示のように、ユーザーが能動的に検索しなくても興味・関心に近い商品が表示されるため、比較的低い関与度でも購買行動につながりやすいのが特徴です。
3-4.ライブコマース
ライブコマースは、ビデオでライブ配信をしながら商品を宣伝するソーシャルコマースの一種です。ライブ配信なら、ECサイトで画像を見ただけでは分からない商品の詳細などが明確に分かります。さらに、ライブ配信者が商品のポイントについて説明してくれることで、レビューやよくある質問としての役割も果たすことができます。
4.ソーシャルコマースを活用するメリット
ソーシャルコマースを活用することで得られるメリットを確認していきましょう。
4-1.ユーザーの囲い込みが行える
ソーシャルコマースには、ECサイトのみを活用するより、ユーザーの囲い込みがしやすいメリットがあります。SNSの投稿で商品の仕様や価格のみならず、ブランドの世界観や商品の使い方などを発信することで、消費者が商品やブランドへの愛着を強めたり、ファンになったりする可能性が高まり、リピーターを獲得しやすくなるのがメリットです。
SNSでは気に入ったブランドや企業のアカウントをフォローしてもらえれば、フォロワーに継続的に情報を発信し続けられます。競合が多く集客が難しいとされるECサイト事業では、集客力のあるSNSを活用したソーシャルコマースを導入することで、他社との差別化も図ることも可能です。
4-2.手間やコストをかけずに構築・運営できる
一般的なECサイトを構築するより、手間やコストをかけずにEC業務の構築・運営が可能です。ただ日本国内では、一部のSNSのプラットフォーム上で決済機能が実装されていないため、やはり従来のECサイト、またはECサイトがない場合はSNSで利用できる決済機能やカート機能のサービスを活用する必要があります。使い慣れたSNSの機能からショップが開設できるので、導入するハードルが低いのもメリットです。
5.代表的なSNSのプラットフォーム
ソーシャルコマースで活用される代表的なSNSのプラットフォームをご紹介します。
5-1.Instagram
Facebook傘下の「Instagram」は、ソーシャルコマース市場の中でも、ほかのプラットフォームと比べて依然として利用者が多く、コミュニケーションツールとしてLINEの代わりに使う若者がいるほど、人気の高い写真投稿SNSです。2019年にチェックアウト機能をスタートし、プラットフォーム上にInstagramショッピングを開設できます。
商品を紹介する投稿には、商品タグや商品ページボタン、ショップタブのアイコンなどが配置が可能です。フォローしているインフルエンサーやセレブ、ブランドなどが推薦する商品をすぐ購入できるのが特徴になります。
5-2.Facebook
「Facebook」も、Instagramに次いで、ソーシャルコマース市場で人気の高いSNSであり、データに基づくマーケティング向けに作られたプラットフォームです。2020年にFacebookショップの提供を開始し、企業が開設するFBページやInstagramのアカウントからアクセスできます。
Instagramと同様に、日本国内ではショップ自体に決済機能がないため、自社のECサイトや決済サービスを利用する必要があります。広告やカタログ、クーポンを配信も可能で、ユーザー同士では、コミュニケーションアプリ「メッセンジャー」を使って取引連絡が可能です。
最近ではFacebookのライブ動画配信「Facebook Live」を使って、リアルタイムで商品販売を行うライブコマースが注目を集めています。
5-3.Twitter
2022年3月にショッピング機能「Twitter Shops」をアメリカの一部企業限定で公開することを発表し、今後は利用できるようになります。
アカウントのプロフィールに最大50の商品を表示可能で、現在はiPhoneユーザーのみ利用・閲覧できます。ショッピング機能には、商品最大5点まで表示できる「Shop Module」やライブ配信内で購入できる「Live Shopping」なども用意される予定です。
アメリカのTwitter人気は第6位と高い順位にはないが、日本ではLINEに次いで、多数のアクティブユーザーを持つSNSです。ショッピング機能が導入されれば、広告投稿の効果や拡散性の高さ、やり取りのしやすさから、どのような効果をもたらすか期待されています。
5-4.TikTok
中国発のショート動画配信プラットフォーム「TikTok」。ソーシャルコマース市場への進出は遅かったが、10~30代の若者を中心に、日本でも1,000万人以上の利用者を誇り、インフルエンサーを多数輩出する場になっています。
日本では現在はプラットフォーム上にショップは実装されておらず、TikTokで見つけた商品を買ったことがある割合も少ないですが、購買層は10代、20代の女性が圧倒的です。
中国ではショップ機能が実装されており、「KOL(キーオピニオンリーダー)」と呼ばれるインフルエンサーらがライブコマースを活用して、商品の販売を活発に行っています。現段階でショップ機能は、中国以外ではイギリスやアメリカ、インドネシアの一部のユーザーだけが利用できる状況で、今後商品のアップロードからフルフィルメントまですべて、TikTok内で管理できるようになる予定です。
6.ソーシャルコマースを活用する企業の事例
ソーシャルコマースを導入する企業の取り組み事例を紹介します。
6-1.ハイブランド「ルイ・ヴィトン」の取り組み事例
高級ファッションブランドの「ルイ・ヴィトン」は、2019年にハイブランドとして初めて、中国のソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書(RED)」にて、ライブストリーミングによるキャンペーンやインフルエンサー「KOL」による施策などを行っています。
2020年のライブストリーミングセッションでは、15万2,000回以上の再生回数を記録し、視聴者の関心を引き付けることに成功しました。新型コロナウイルスの影響から世界中で外出が制限される中、実店舗が閉店し、暇を持て余している消費者に新しい形の購入体験を提供する試みがあったといえるでしょう。
6-2.家電機器メーカー「バルミューダ」の取り組み事例
家電機器メーカー「バルミューダ」は、キッチン製品を始めとした、デザイン性の高い電化製品を多数手がけています。自社のECサイト以外にも、さまざまなメディア展開を行っており、特にサイト内に掲載された製品開発ストーリー「ストーリーズ」は、潜在的な顧客ニーズを掘り起こすきっかけとなり、ファンを生み出すコンテンツとしての役割を担うほどです。
InstagramやTwitterなどのSNSでは、自社製品が暮らしの中に溶け込んでいる姿を伝える投稿が多く、そこからユーザーがECサイトにアクセスして、販売の機会を作り出しています。
6-3.ECの発展が著しい中国におけるソーシャルコマース
中国ではソーシャルコマースがEC業界の新たなスタンダードとして、中国の小売EC売上の多くをけん引しています。月間アクティブユーザーが12億の巨大SNS「WeChat」は、ソーシャルコマースの主要なプラットフォームであり、WeChatのミニプログラムはEC業界を席巻している状況です。
2020年4月にライブストリーミング機能を開始し、CartierやBALENCIAGA、LOEWEといった高級ブランドもミニプログラムをスタートし、デジタルに精通した消費者向けに施策を展開しています。
他にも写真や文章の共有機能に加えて、Eコマースのプラットフォームとしても知られる「Weibo」も、EC販売にコミュニケーションを組み合わせて運営しています。
7.【2026年版】ソーシャルコマースの最新動向
ここまで紹介した内容は2022年11月執筆時点の情報(参考)です。ソーシャルコマースを取り巻く状況はその後も変化しているため、2026年時点でおさえておきたい動向を紹介します。
7-1.TikTok Shopが日本でも解禁
本記事執筆時点では実装されていなかったTikTok Shopは、2025年6月にTikTok公式アプリを通じて日本でも解禁されました。動画コンテンツから直接購入につなげられる販売チャネルとして、日本国内でも活用が広がっています。TikTok ShopとInstagramのチェックアウト機能を組み合わせた活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
TikTok Shop × Instagram Checkoutで加速する「ソーシャルコマース3.0」 ─ EC競合を出し抜く購入導線最適化ガイド
7-2.X(旧Twitter)のショッピング機能は縮小
本記事で紹介した「Twitter Shops」は、TwitterがXに名称変更された後も提供が続けられましたが、2026年2月時点ではXのショッピング機能は米国ユーザー限定となっています。ソーシャルコマースの主戦場は、Instagram・TikTokなど画像・動画を軸にしたプラットフォームへとより一層シフトしている状況です。
7-3.InstagramショッピングとShopify連携は引き続き主力
Instagramショッピングは、現在も「Facebook & Instagram by Meta」という公式アプリを通じて提供されており、投稿から直接購入できる導線を作れます。具体的な特徴や設定方法は以下の記事も参考にしてください。
【2023年版】Instagramショッピングの特徴と設定方法
ShopifyなどのECプラットフォームとSNSを連携する具体的な方法については、以下の記事もあわせてご覧ください。
【運営者必見】ShopifyとSNSを連携したらできること|運用方法も解説
8.まとめ
自社のECサイトだけでは集客が難しい場合も、SNSを活用することでさらに大きく成長できる可能性がある。日本では未だ後れを取っているが、世界的にみてもソーシャルコマースの市場規模は拡大しており、ビジネスを拡大していくことを考えるなら、今後必要条件となっていくでしょう。成長著しいソーシャルコマースのポイントを踏まえたうえで、自社に適した形で導入を検討してみてください。
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