YouTubeショッピングのアフィリエイトにAliExpressが加わる。韓国から米・英・独・ブラジルへ拡大、日本の扱いは
YouTubeのショッピング アフィリエイト プログラムにAliExpressが参加し、韓国に続いて米国・ブラジル・英国・ドイツへ拡大。仕組みと数字、日本で使えるのかを整理し、企業アカウントの運用者が押さえる点を解説します。
YouTubeのショッピング アフィリエイト プログラムに、中国発のECプラットフォーム「AliExpress(アリエクスプレス)」が提携先として加わった。2026年10月20日にSocial Media Todayなどが報じたもので、AliExpressは2026年3月に韓国で始めた連携を、米国、ブラジル、英国、ドイツの4市場へ広げるとしている。クリエイターは動画の中で対象商品にタグを付け、視聴者がそこからAliExpressで購入すると、成果に応じた報酬を得られる。
日本では、このプログラムは2026年2月から動いているが、提携先は楽天市場が先行している。では、AliExpressは日本でも使えるのか。結論から言えば、今回の発表に日本は含まれていない。本稿では、報じられている内容を整理し、日本のクリエイターや企業アカウントの運用者が受け止めておくべき点を考える。仕様の細部は報道とYouTube公式の案内にもとづくため、「報じられている」と表記する。
今回の発表で分かっていること
報道とAliExpress側の発表を総合すると、押さえておく事実は次のとおりだ。
| 項目 | 内容(報道ベース) |
|---|---|
| 提携先 | AliExpress。YouTubeショッピングのアフィリエイト プログラムに参加 |
| 先行市場 | 韓国(2026年3月に開始) |
| 今回の拡大先 | 米国、ブラジル、英国、ドイツの4市場 |
| 仕組み | クリエイターが動画内で対象商品にタグを付け、購入が発生すると報酬を得る |
| 視聴者の動き | YouTubeからAliExpressに移動して購入を完了する |
| 報酬率 | 公表されていない |
| 対象条件 | 「参加するクリエイター」「対象商品」とされ、細かい基準は示されていない |
| 日本 | 今回の発表には含まれていない |
AliExpressは、YouTubeの提携先として新しく加わっただけでなく、韓国での取り組みを他国に広げる形になる。報道では、AliExpressはクリエイターが使えるよう、人気商品や売れ筋の商品データも提供するとされている。クリエイターは、そのデータを見ながら、自分の視聴者に合う商品を選んで紹介できる。
韓国(2026年3月)から米国・ブラジル・英国・ドイツへ。日本は今回の対象外
YouTubeショッピングのアフィリエイトとは何か
背景を整理しておく。YouTubeショッピングのアフィリエイト プログラムは、YouTubeパートナープログラムに参加しているクリエイターが、動画、ショート動画、ライブ配信などで提携ストアの商品にタグを付け、購入された場合に報酬を受け取る仕組みだ。プログラム自体は2022年に始まったと報じられている。
日本では、2026年2月19日に導入が発表され、国内初の提携ストアとして楽天市場が参加した。YouTube公式の案内によると、対象になるクリエイターの条件は次のとおりだ。
- チャンネルがYouTubeパートナープログラムに登録されていること
- 音楽チャンネル、公式アーティストチャンネル、または音楽パートナーに関連付けられていないこと
- 視聴対象が子ども向けに設定されておらず、子ども向けの動画が多くないこと
2026年9月24日のイベント「Made On YouTube 2026」では、YouTubeは次の内容を明らかにしている。
- アフィリエイト プログラムを年末までに35か国に広げる計画であること(日本はすでに対象)
- 参加しているクリエイターが130万人を超えたこと
- 総取引額が過去2年で13倍に増えたとしていること(2026年8月22日時点のYouTube社内データ)
- ショッピングタグのクリック数が、説明欄のリンクの2倍以上だったとする調査結果(2026年7月14〜29日、グローバル)
これらはYouTube自身の集計で、第三者による検証は示されていない。それでも、ショッピング機能の重心が「概要欄にリンクを貼る」から「動画内のタグ」に移りつつあることはうかがえる。
提携先が増えると何が変わるのか
提携先の追加は、クリエイターから見ると「紹介できる商品の幅が広がる」ことを意味する。今回のAliExpressは、取り扱い商品が非常に多い。報道では、AliExpressのアプリには1億点を超える商品が並ぶとされている。さらに、米国での流通総額(GMV)が2026年5月のセール期間に前年同期比で50%伸びたという調査会社の数字も紹介されている。
商品の幅が広がると、これまで概要欄のアフィリエイトリンクに頼っていたジャンルのクリエイターが、動画内タグへ乗り換えやすくなる。ガジェット、雑貨、ファッション小物、DIY用品のような、低価格帯で選択肢の多い商品では特に影響が大きいと考えられる。
一方で、報酬率や対象条件が公表されていない点は、クリエイターが収益を見積もるときの障害になる。提携先ごとに報酬率が違えば、同じ動画でも、どのストアの商品をタグ付けするかで収益が変わる。今後YouTubeやAliExpressが条件を示した時点で、最新の案内を見直したい。
日本ではどうなるのか
日本のクリエイターと企業にとって、いちばん気になるのは日本展開だろう。現時点の整理は次のとおりだ。
AliExpressの日本展開は、公式発表では明らかになっていない。 今回AliExpressが挙げた4市場に日本は入っていない。YouTubeが年末までに35か国へ広げる計画を示しているとはいえ、それは「プログラム全体の対象国」の話で、AliExpressを含む各提携先がすべての国で使えるという意味ではない。日本で現在使える提携ストアとして公式に案内されているのは、楽天市場だ。
また、2026年9月のMade On YouTubeでは、販売パートナーやブランドから特別な報酬率やボーナスを受け取れる新しいキャンペーンの仕組みも紹介されたが、日本での提供は未定とされている。日本のクリエイターにとっては、AliExpressの動きを待つより先に、すでに使える楽天市場との連携を使いこなすほうが現実的だ。
なお、2026年8月には米国のクリエイター向けにAmazon商品のタグ付けが始まっている。こちらの経緯はYouTube、Shoppingアフィリエイトプログラムに Amazon.com を追加。クリエイターが動画で商品タグ付けし報酬を得る仕組みを解説で整理した。提携先は米国から順に増えており、日本はその流れの後ろにいる、と見ておくのが実態に近い。
企業アカウント運用者が押さえたい視点
日本でAliExpressのタグが使えなくても、この発表は日本の企業アカウントの運用者に関係する。3つの視点を挙げる。
1. 海外向けに商品を売る企業は、同じ動画の中で低価格の競合と並ぶ
日本の事業者が米国、英国、ドイツ、ブラジルの視聴者に向けて、自社商品を紹介する動画を作っているとする。これらの市場では、クリエイターが動画の中でAliExpressの類似商品をタグ付けできるようになる。たとえば、自社のスマホスタンドを紹介する動画の隣に、同じジャンルの低価格品へのタグが並ぶ可能性がある。
これを防ぐ手段はない。そこで、商品の価格だけで勝負しない設計が要る。素材や保証、サポート、使い込んだときの違いを、動画の中で具体的に語る。それが、タグ付けされた低価格品と比べられたときに、視聴者が選ぶ理由になる。
2. 越境で収益を狙うクリエイターとの連携は、提携ストアを意識する
Made On YouTubeでは、海外の視聴者にはその国向けのリンクを表示して、世界中の売上から報酬を得られる「国境を越えたタグ」も紹介された。日本の企業が海外向けのコンテンツを発信するとき、提携ストアによって国内外のどこまで報酬の対象になるのかを、クリエイター側と事前にそろえておくとトラブルを防げる。報酬の扱いは提携ストアごとに違うため、案件ごとに確認したい。
3. 広告であることの明示は、提携ストアが増えても変わらない
YouTubeの案内によると、アフィリエイトの対象となる動画のブランド連携やおすすめ情報は、YouTubeの「ブランドとの共同制作コンテンツ」のポリシーに従う必要がある。また、YouTube以外のトラフィックをアフィリエイトリンクで販売者に誘導することは規約違反とされている。クリエイターに案件を依頼する企業側も、動画内で広告であることが視聴者に伝わるか、依頼の段階で確認しておく。提携先が増えるほど、どの動画が報酬の発生する紹介なのかが見分けにくくなるためだ。
クリエイター・事業者が今できる準備
日本でAliExpressが使えるようになる時期は分からない。それでも、次の準備は先にしておける。
| 準備 | 内容 |
|---|---|
| 現行の連携を使い込む | 楽天市場のタグ付けで、どんな動画が反応するかのデータを貯めておく |
| 概要欄を整える | 動画内のタグと、概要欄の商品情報の両方を用意する習慣をつける |
| 自社商品のページを点検 | 越境で売る事業者は、海外のECページの商品情報と画像を見直す |
| 報酬条件を記録 | 提携ストアごとの報酬率や条件が公表されたら、一覧で管理する |
動画内のタグの見せ方については、表示位置のテストが進んでいる。詳細はYouTube、商品タグの表示位置を視聴者の関心度で自動切り替えるテストを開始で解説している。タグの出し方が変わる前提で、概要欄の商品情報を厚くしておくと、提携先が増えたときにも応用が利く。
よくある質問
日本のクリエイターもAliExpressの商品をタグ付けできるのか
今回の発表で対象になっているのは、米国、ブラジル、英国、ドイツの4市場と、先行している韓国だ。日本は含まれておらず、日本での提供時期は公式発表では明らかになっていない。
日本で今使えるYouTubeショッピングの提携ストアはどこか
YouTube公式の案内では、日本で国内初の提携ストアとなったのは楽天市場だ。2026年2月19日に導入が発表された。
AliExpressのタグ付けで得られる報酬率はどれくらいか
報酬率は公表されていない。YouTubeやAliExpressが条件を示したら、最新の案内を見直す必要がある。
参加するにはどんな条件が必要か
プログラム全体の条件は、YouTubeパートナープログラムへの登録など、前述のとおりだ。AliExpressに固有の条件は、報道では示されていない。
年末までに35か国に広がれば、日本でもAliExpressが使えるのか
35か国は、アフィリエイト プログラム全体の対象国の計画だ。AliExpressを含む各提携先がすべての国で使えるとは限らない。提携先ごとに対象国が決まる。
まとめ
- YouTubeショッピングのアフィリエイト プログラムにAliExpressが参加した。韓国(2026年3月)に続いて、米国、ブラジル、英国、ドイツへ広がると報じられている
- 報酬率や詳しい対象条件は公表されていない。日本は今回の発表に含まれておらず、日本の提携ストアとして公式に案内されているのは楽天市場だ
- YouTubeは、プログラム全体を年末までに35か国に広げる計画と、クリック数が説明欄リンクの2倍以上という自社調査を示した。いずれもYouTube自身の数字で、第三者の検証はない
- 企業アカウント運用者は、海外向けの発信で低価格の競合とタグが並ぶ可能性、越境の報酬条件、広告表示のルールの3点を押さえておきたい
- 日本では、使える連携をまず使いこなし、タグと概要欄の両方に商品情報を用意しておくのが現実的な備えになる
出典
- Social Media Today「YouTube inks affiliate deal with AliExpress」(2026年10月20日) https://www.socialmediatoday.com/news/youtube-inks-affiliate-deal-with-aliexpress/833542/
- Digital Today「YouTube adds AliExpress as shopping affiliate partner」(韓国での開始を報じる記事) https://www.digitaltoday.co.kr/en/view/40695/youtube-adds-aliexpress-as-shopping-affiliate-partner
- YouTube公式ブログ(日本)「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」(2026年2月19日) https://blog.youtube/intl/ja-jp/news-and-events/youtube-shopping-affiliate-jp-launch/
- YouTube公式ブログ(日本)「Made On YouTube 2026: ブランドとクリエイターをつなぎ、収益向上をサポート」(2026年9月24日) https://blog.youtube/intl/ja-jp/news-and-events/made-on-youtube-creator-monetization-shopping/
- YouTubeヘルプ「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラムの概要と利用資格」 https://support.google.com/youtube/answer/13376398?hl=ja
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