「ClubHouse」に対抗?Twitterが音声SNS「Spaces」をテスト
【重要】本記事は2021年3月時点、TwitterのSpacesがベータテストを開始した直後の情報をもとに執筆されています。その後、両サービスの状況は大きく変化しました。Spacesは2021年5月に正式リリースされ、X(旧Twitter)の標準機能として定着しています。一方でClubhouseはブームが急速に沈静化し、2023年9月には従業員の約半数を解雇すると報じられました(サービス自体は2026年現在も継続中です)。詳しくは記事末尾の「6.」もあわせてご確認ください。
今、巷では「Clubhouse」(クラブハウス)という音声SNSが流行しています。
昨今のSNSには珍しい「音声のみ」でやり取りする方式が話題となり、多くの注目を集めています。
そんな中、Twitterも音声でやり取りを行う「Spaces」というサービスのベータテストが始まりました。Twitter内でサービスが開始される「Spaces」は「Clubhouse」とどのような違いがあるのでしょうか。
今回はTwitterのSpacesについて(2021年3月時点の情報として)ご紹介していきます。
1.ClubHouseとは(参考:2021年時点)
アメリカ・サンフランシスコのベンチャー企業「Alpha Exploration」が2020年春にリリースした音声のみで交流するSNSアプリです。
日本では2021年1月からスタートアップ界隈を中心に一気に話題が広がり、「Clubhouse」「クラブハウス」「誰か招待」などClubhouse(クラブハウス)に関連するワードが連日Twitter上でトレンド入りするほどの盛り上がりを見せています。
2.Twitterの「Spaces」とは(参考:2021年3月時点のベータ仕様)
SpacesはTwitter内で利用できるリアルタイム音声チャットルームです。
2020年12月にベータテストが始まり、当時は特定の少数ユーザーのみ利用可能なサービスでした(2021年2月現在)。
当時は日本語に対応しておらず、英語のみのサービスでした。
話題となっている「Clubhouse」と似たようなシステムになっており、音声のみでやり取りを行うサービスです。
2-1.リアルタイムの音声チャットルーム(参考)
Spacesは、ユーザーがTwitter上でトークルーム(Space)を立ち上げ、トークルーム内で最大11人までの会話を楽しむことができます(※当時の仕様。現在はホスト・コホスト2名を含め最大全13名まで発言できる仕様になっています)。
トークを聴きたいユーザーはトークルームに入室し、「リスナー」として会話を聴くことができます。
一方的な配信という形ではなく、音声のみのトークルームに「スピーカー」と「リスナー」という立場が存在しています。
オンライン上で行われているラジオの公開録音というイメージを持つと分かりやすいかもしれません。
2-2.Clubhouseとの違い(当時の比較、参考)
「音声版Twitter」と言われているClubhouseは生まれたばかりのアプリのため、1からフォロワーを増やすなど関係性を構築していかなければいけません。
加えて招待制のSNSであるため、Twitterと比べると拡散力がどうしても劣ってしまいます。
一方で、Twitter内のサービスであるSpacesはTwitterですでにできあがった関係性の中で音声チャットを行うことができます。
※以下はClubhouseの招待制など、当時の仕様に基づく記述です。現在Clubhouseは誰でも登録できる形に変わっています(詳細は「6.」を参照)。
現在Clubhouseには「いいね!」ボタンやコメント欄が存在しておらず、すべてのコミュニケーションを100%音声のみで行う形式となっています。
一方Spacesのリスナーは喋ることができない代わりに絵文字でリアクションを送ることができるようです。
Spacesはベータテスト版の仕様であるため、正式サービスになった際に変更される可能性があります。
現時点でのSpacesとClubhouseの違いは、
- SpacesはTwitter上ですでにある交友関係を使うことができる。
- 絵文字でリアクションを送信することができる。
となっています。
3.開発チームの説明(2021年時点)
開発チームはTwitterアカウントで以下のことを述べているので紹介しておく。
「人間の声の親密さにフォーカスした小さな実験Spacesを実施しているチーム」と自己紹介。
「人間の声は、テキストではしばしば失われる感情やニュアンスを通じ、Twitterにつながりの層をもたらす」
最高のスペースは「もてなしの行き届いたディナーパーティー」のようなイメージ。
テーブルにいる全員が楽しく過ごせるディナーパーティーの魔法のような感じをSpacesで実現したいとコメント。
最初のテストバージョンは……少人数のフィードバックグループを対象にテスト中。フォロワー向けにスペースを作成し、誰が話せるか、話せないかをコントロールできる
ハンドジェスチャーのようなリアクションなどもテスト
4.「Spaces」の使い方を紹介(当時のベータ仕様、参考)
実際に試した様子のレポートによると、以下の通りです。
《Twitterを眺めていたところ、ベータテストに参加しているユーザーから突然Spacesへの参加を促された。それが下の画面だ。参加者は、「リスナー」か「発言できる参加者」のどちらかを選択して参加できる。動揺しているうちに、DMでも招待を受けた。最初はリスナーで参加したが、マイクへのアクセスを許可して「発言できる参加者」になった。
音声は非常に快適で、スムーズに会話できる。ホストが部屋で流している音楽も心地よく聴こえた。発言に対してリアクションしたいときは、絵文字アイコンをタップすると、スタンプを選択できる。スタンプはユーザーのアイコンの上に表示される。誰がどのスタンプを押したのかがわかる仕組みになっている。》
ホストだけでなく、発言者もメニューから他のユーザーを「DMで招待」「ツイートで共有」「リンクをコピー」できる。発言をやめたいときは、「発言をやめる」ボタンを押すことで自身でリスナーに戻ることができ、右上の「退出」ボタンを押すとスペースから抜けられる。「字幕を表示」をオンにすると、会話の内容が表示されるそうだが、現在は英語のみ対応だそうだ。
尚、参加メンバーのアイコンをタップすると、そのユーザーのプロフィールと、フォローするボタン、ブロックまたは報告の項目が下から現れる。ただし、この画面上ではその相手のフォロワー数などは表示されていないそうだ。
5.(当時の)まとめ
(2021年3月時点)当時はSpacesはまだベータテストの段階であり、今後どのように正式リリースされるか未定でしたが、Clubhouseの盛り上がりを見ると音声チャットサービスへのニーズは明らかでした。
6.(最新)その後のSpacesとClubhouseの展開
本記事の公開後、両サービスは対照的な道をたどりました。
6-1.SpacesはX(旧Twitter)の標準機能として定着
TwitterのSpacesは2021年5月に正式リリースされ、日本語を含む多言語で利用可能になりました。 2023年7月のXへのリブランド後も機能は継続して提供されており、2026年現在もXの主要機能の1つとして利用されています。ホスト・コホスト2名を含め最大全13名まで発言でき、リスナー数に上限はありません。
6-2.Clubhouseはブームの急速な沈静化を経てニッチコミュニティ向けに
一方でClubhouseは、2021年のブームが短期間で沈静化し、ユーザー数の減少を受けて2023年9月には従業員の約半数を解雇すると報じられました。サービス自体は終了せず、招待制は廃止され誰でも登録できるようになり、2026年現在は音楽や読書、ファン活動などの小規模なコミュニティ空間として利用されています。
つまり、当初の予想とは異なり、「Twitter内で既存のフォロワー基盤を活かせるSpaces」の方が長期的には定着し、先行したClubhouseはニッチユースに形を変えたといえます。
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