インフルエンサーの探し方【企業向け】無料の検索方法とツール・選定基準
自社の商品と親和性の高いインフルエンサーを探す方法を、企業担当者向けに解説。SNS内検索やハッシュタグを使った無料の探し方、検索ツール・キャスティング会社との使い分け、エンゲージメント率・コメント・フォロワー属性で見る選定基準、フォロワー買いの見分け方まで扱います。
インフルエンサーマーケティングで最初につまずくのが「誰に頼むか」だ。フォロワー数が多い人を並べるだけなら簡単だが、自社の商品と親和性が高く、実際に反応が取れる人を見つけるのは別の作業になる。
この記事では、企業の担当者がインフルエンサーを探す方法を、無料でできる検索、検索ツール、キャスティング会社の3つに分けて整理し、それぞれの向き不向きを示す。そのうえで、候補を絞り込むときの選定基準と、フォロワー買いの見分け方まで扱う。「探す」と「選ぶ」を分けて考えるのが、この記事の前提だ。
探す前に決めておくこと
探し方の話に入る前に、2つだけ決めておいてほしい。これが曖昧なまま探し始めると、候補は集まっても選べない。
1つ目は、施策の目的。 認知を広げたいのか、購入につなげたいのか、UGC(ユーザーの投稿)を増やしたいのかで、向いているインフルエンサーの規模も媒体も変わる。認知ならリーチの大きい人、購入ならフォロワーとの信頼関係が濃い人、という具合だ。
2つ目は、届けたい相手。 年代・性別・関心領域・居住地域まで具体的にする。ここで決めた像が、後述する「フォロワー属性の確認」の基準になる。
この2つが決まると、「フォロワー10万人のライフスタイル系」ではなく「関東在住・30代女性・時短家事に関心がある層に届く人」というように、探す対象が具体化する。
インフルエンサーの探し方は3種類
探し方は大きく3つに分かれる。費用と手間、精度のバランスが違う。
3つの探し方。小規模なら自社検索、本数が増えたらツール、丸ごと任せるならキャスティング
| 探し方 | 費用 | 手間 | 精度 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| 自社でSNSを検索して直接依頼 | 無料 | 大きい | 担当者の目利き次第 | 起用人数が少ない、予算が小さい、まず試したい |
| 検索ツール・プラットフォーム | 無料〜月額 | 中 | 数値で絞れる | 候補を大量に比較したい、継続的に起用する |
| キャスティング会社・事務所 | 手数料が上乗せ | 小さい | 会社の抱えるリストに依存 | 交渉・契約・進行まで任せたい |
それぞれ順に見ていく。
方法1:無料でできる探し方
費用をかけずに探すなら、SNSの中で探すのが基本になる。手間はかかるが、担当者自身の目で世界観を確かめられるという利点がある。
ハッシュタグ・キーワードで検索する
Instagramなら、自社の商材に関係するハッシュタグを検索し、「トップ」に並ぶ投稿の投稿者を見ていく。「#時短レシピ」「#韓国コスメ」のように商材そのものの語と、「#ワーママ」「#一人暮らし」のようにターゲットの生活を表す語の両方で探すと、候補の幅が広がる。
Xでは、キーワード検索に加えて検索コマンドが使える。「min_faves:100」のような条件を足せば、一定以上の反応がある投稿だけを拾える。検索コマンドの一覧は【2026年版】知っておくと便利!X(旧Twitter)の検索コマンドと高度な検索にまとめている。
競合や近い商材のアカウントから探す
競合ブランドの投稿にタグ付けされているアカウント、競合の公式アカウントがフォローしているアカウントは、すでにそのジャンルで活動している人であることが多い。競合が起用したインフルエンサーそのものを追うのではなく、その周辺にいる、まだ起用されていない人を探すのがコツだ。
コミュニティやトピックから探す
Threadsのコミュニティ機能やトピックタグ、YouTubeのチャンネル検索など、話題単位で集まる場所を起点にすると、フォロワー数は小さくてもその話題で影響力を持つ人が見つかる。フォロワー数の多寡ではなく「その話題の中で誰の発言が引用されているか」を見る。
無料の探し方の限界
自社検索は、候補が20〜30人を超えたあたりから比較が難しくなる。フォロワー数はプロフィールで見えても、エンゲージメント率やフォロワーの属性は1人ずつ確認しないと分からない。この段階になったら、次のツールを検討する。
方法2:検索ツール・プラットフォームを使う
検索ツールは、キーワードやジャンルからインフルエンサーを一覧で出し、フォロワー数・エンゲージメント率・フォロワーの性別や地域といった数値で絞り込めるのが特徴だ。候補の比較が一度にできるので、起用本数が増えるほど効く。
ツールは、得意な領域で3つに分かれる。
| 種類 | できること | 例 |
|---|---|---|
| 検索・リストアップ型 | キーワードや属性から候補を一覧化する。フォロワー属性やエンゲージメント率で絞る | Tofu Analytics(ジャンル・地域・業種別のインフルエンサーDB) |
| 分析特化型 | 特定のアカウントの数値を深掘りする。平均との比較、推移の確認 | 投稿ごとの指標を確認できるツール、フォロワー数の推移を見るツール |
| キャスティング一体型 | 検索から依頼・進行・レポートまで1つの画面で完結する | プラットフォーム型のインフルエンサーマーケティングサービス |
Tofu Analyticsの場合、インフルエンサー検索のページで、ジャンル・地域・業種・企業名といった切り口ごとに分析済みのインフルエンサーを一覧できる。分析対象はX・Instagram・YouTube・TikTok・Threadsなど複数の媒体にまたがっているので、「Instagramでは見つからなかったが、Threadsでは同じ話題で影響力がある人」といった横断的な探し方ができる。
外部のツールを使う場合は、対応している媒体、無料で見られる範囲、料金の改定時期を必ず公式サイトで確認してほしい。この分野はSNS側のAPI方針の変更で、サービスの終了や有料化が頻繁に起きている。X向けでは、かつて無料で使えたTweetDeckが2023年に有料のX Proに切り替わった例がある。
方法3:キャスティング会社・事務所に依頼する
インフルエンサーを抱えている事務所や、キャスティングを専門にする会社に依頼する方法だ。探す・交渉する・契約する・投稿を管理するという一連の作業を任せられるので、担当者の手間は最も小さい。
一方で、候補はその会社が抱えているリストの中から出てくる。「自社の商材と本当に親和性が高い人」より「その会社が動かしやすい人」が提案されることもあるので、提案を受けたら次の選定基準で自社でも確認したほうがいい。
費用は、インフルエンサーへの報酬に手数料が上乗せされる形が一般的だ。予算が限られているなら、探すところまでは自社やツールで行い、交渉と契約だけを依頼する分業もできる。
候補を絞り込む選定基準
探し方がどれであっても、最後は自社で選定基準を当てて絞り込む。見るべき項目は5つある。
1. 世界観が自社の商材と合っているか
投稿の写真の雰囲気、文章のトーン、扱っている話題が、自社のブランドと並べたときに違和感がないかを見る。数値では測れないが、ここがずれていると、フォロワーからは「急に宣伝を始めた」と受け取られる。
2. エンゲージメント率
いいね・コメント・保存などの反応数をフォロワー数で割った値だ。フォロワー数が多くてもエンゲージメント率が低ければ、実際に届く人数は少ない。次の例のように、フォロワーが少ないほうが獲得できる反応が多くなることは珍しくない。
| インフルエンサーA | インフルエンサーB | |
|---|---|---|
| フォロワー数 | 50,000人 | 30,000人 |
| エンゲージメント率 | 1% | 2% |
| 獲得エンゲージメント数 | 500件 | 600件 |
目安の数値や計算方法はInstagramのエンゲージメント率とは?目安や計算方法、上げるコツを紹介で詳しく扱っている。
3. コメントの中身
コメント数ではなく、何が書かれているかを見る。商品や投稿内容に対する具体的な反応があるか、それとも「かわいい」「素敵」のような定型文ばかりか。後者が大半なら、フォロワーとの関係が薄いか、コメントが相互に付け合うグループ内で回っている可能性がある。
4. フォロワーの属性
フォロワーの年代・性別・地域が、最初に決めた「届けたい相手」と重なっているかを確認する。インフルエンサー本人の属性とフォロワーの属性は一致しないことがある。30代女性のインフルエンサーでも、フォロワーの半分が10代ということはある。属性はツールで確認するか、依頼前に本人にインサイトの画面を見せてもらう。
5. フォロワー買いをしていないか
フォロワー数が短期間に不自然に増えているアカウントは、購入したフォロワーが含まれている可能性がある。フォロワー数の推移を確認できるツールで、急激な増加の時期がないかを見る。あわせて、フォロワー数に対していいねやコメントが極端に少ない、コメントが日本語以外ばかり、といった兆候も判断材料になる。
選定後に決めておくこと
候補が決まったら、依頼の前に次の3点を整理しておく。
- 投稿に「PR」「タイアップ」の表示を入れること。 2023年10月からステルスマーケティングは景品表示法の規制対象になった。表示の要件は2023年10月よりステマの規制が改正!内容について紹介を確認してほしい
- 投稿内容をどこまで指定するか。 細かく指定するほど、インフルエンサーの世界観からは離れる
- 効果をどう測るか。 リーチ・保存・プロフィールへの遷移・クーポン利用など、目的に合わせて指標を先に決める。指標の設計はSNSのKPI設計|媒体別の指標一覧とレポートの作り方を参照
まとめ
- 探し方は自社検索・検索ツール・キャスティング会社の3つ。人数と予算で使い分ける
- 無料で探すなら、ハッシュタグ・競合の周辺・コミュニティを起点にする。候補が30人を超えたらツールを検討する
- ツールは検索型・分析型・キャスティング一体型に分かれる。対応媒体と料金は公式サイトで最新を確認する
- 選定は世界観・エンゲージメント率・コメントの中身・フォロワー属性・フォロワー買いの兆候の5つで見る
- 依頼前にPR表示・投稿内容の指定範囲・効果指標を決めておく
インフルエンサーの規模ごとの特徴は最近よく聞くマイクロインフルエンサーとは?、選び方の観点をさらに広げるならインフルエンサーの選び方ポイント8点と実施前に知っておきたい6つの注意点もあわせて参照してほしい。
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