【Web広告運用者必見!】ITPとは何か?影響と対策について解説
ITP はこれまでのWeb広告やアクセス解析に影響を与えるため、広告運用者を始め、Webマーケティングに関わる方や企業には大きな問題です。WEB広告やアクセス解析界隈においても、「ITP」の影響により、これまで計測できていた数値が拾えなくなる事例やサービスに支障をきたす問題が発生してきております。
この記事ではITPの概要と広告運用に与える影響を解説し、その対策法まで具体的に解説していきますので対策を立てる際の参考にしてください。
【重要】本記事は2020年10月時点の情報を基に執筆しています。ITPはその後も継続的にアップデートされており、現在もSafariはサードパーティCookieを例外なくブロックする仕様を基本として継続しています(Apple公式ドキュメント「Tracking Prevention in WebKit」、2026年8月確認)。一方で、記事内で触れているSafariのバージョンやITPのバージョン番号、効果測定ツールの導入実績などの数字は執筆当時のものです。また、Google Chromeは2024年7月に当初予定していたサードパーティCookieの廃止方針を撤回し、ユーザーが選択できる仕組みへと方針を変更しています(Google Privacy Sandboxブログ、2024年7月・2025年10月発表)。つまりSafariとは異なり、最もシェアの大きいChromeではサードパーティCookieの完全廃止は実現していません。最新の影響範囲を把握する際はこの点も踏まえてお読みください。
1.ITPとは何か?
ユーザのプライバシー保護のためにブラウザの「Safari」に組み込まれたトラッキング防止機能のことです。機械学習を用いてCookieの働きを制限することで個人情報のトラッキングを防ぎます。今のところApple社のブラウザ「Safari」にのみ実装されています。
CookieやWEBサイトでとった行動データの取得を制限することで、複数のドメイン間の情報の受け渡しを制限する仕組みになっています。ITPは、段階的にアップデートされており、その度にCookieの利用制限が強化されてきています。
記事執筆時点(2020年)の最新であったSafari13.1では、すべての3rd-party cookieが使えなくなりました。この仕様は現在のSafariでも基本方針として維持されています。さらにその後もITPはアップデートを重ね、JavaScriptで作成したCookieやLocalStorageなどをユーザーの非接触が7日間続くと削除する仕様や、クリックパラメータを介したクロスサイトトラッキングを検知してCookieの有効期限を24時間に制限する仕様など、より多角的なトラッキング防止機能へと進化しています(Apple公式ドキュメント「Tracking Prevention in WebKit」より)。これにより、オンライン上のユーザーのプライバシーは守られますが、アクセス解析やWEB広告の一部機能に影響がでるため、引き続き対策が必要です。
2.WEB広告への影響は?
ITPはWeb広告の配信や効果測定に影響を及ぼすため、Webマーケターにとっては看過できない機能です。この章で詳しく解説をしますのでぜひ参考にしてください。
2-1.Safariブラウザのシェア率が高いモバイル・タブレットは影響大
ITPは特にモバイル・タブレットユーザーの観測に影響を与えます。Safariブラウザはモバイル・タブレットユーザーを中心にシェアされており、日本にはiPhoneユーザーが多数いるため、ITPの影響が出ることは避けられません。日本国内ではiPhoneの利用率が高く、モバイル環境ではSafariの利用割合が他国よりも高い傾向があります。
GoogleやYahoo!など広告媒体によって、独自の対策はとられていますが、今後の動向はしっかりとチェックしていきたいところです。ただし、モバイル・タブレットユーザーをメインターゲットとしている企業は、ITPの影響が大きく、いち早く対策を講じる必要があります。
2-2.Googleアナリティクスへの影響は?
3rdparty cookieが使用できなくなると、
・リターゲティング広告の配信が制限される
・コンバージョン計測の数値に影響がでる
などが考えられます。また、Googleアナリティクスでは主に、以下のような問題が挙げられます。
・ユーザーが7日間以内にサイトに再訪問しなければ Cookie がリセットされるので、本来であればリピーターのはずが、新規のセッションとして扱われる
・Safariの利用割合によっては、複数の指標への影響が想定される
などです。リターゲティング広告の配信やコンバージョン計測への影響が大きくなってきているので、マーケターは自社ユーザーのSafariブラウザ比率を確認し、影響度合いをチェックしておいた方が良いでしょう。
3.ITPへの対策方法
ITPはこれまで徐々にバージョンアップされ、そのたびに測定が困難になり、広告配信の手法も制限されるようになりました。今後ともその流れが予想されます。この章では、主に二つの対策方法について紹介をします。
3-1.自分で対策をする
一つ目は自分で対策をする方法です。ツール導入のための予算がまだ用意できない、導入までの間を待てないという方向けになります。
一つ目はローカルストレージにデータを保存することです。ITP2.1はJavascriptのdocument.cookieに対して機能するものなので、ローカルには影響を及ぼしません。そこで、HDDやSSDなどのローカルストレージに保存しておけばCookieを保存できます。ただし前述の通り ITP はその後もJavaScript経由のストレージ全般を対象に制限を強化しているため、この対応の有効性は低下している点に注意が必要です。
二つ目はGoogle広告とGoogleアナリティクスを連携してCVを計測しておくことです。Google広告とGoogle アナリティクスを連携すると発行されるCookieが、ファーストパーティーCookieとして保存され、CVが計測されます。連携させるには、Google広告の管理画面から設定しておく必要があります。手順は以下の通りです。
1. Google広告の管理画面にログインする。
2.「設定」をクリックして設定画面に移動する。
3.「アカウント設定タブ」を選択する。
4.「自動タグ設定」をクリックする。
5.「ユーザーが広告クリック時にアクセスするURLにタグを設定する」にチェックを入れる。
6.「保存」をクリックする。
三つ目は、Google広告のコンバージョントラッキングタグを利用してCVの計測することです。Google広告のコンバージョントラッキングタグによって、グローバルサイトタグとイベントスニペットを適用できます。手順は以下の通りです。
1.Google広告の管理画面に移動して、右上の「ツール」をクリックする。
2.「コンバージョン」を選択して、該当のコンバージョン名をクリックする。
3.「タグを設定する」をクリックして、「自分でタグをインストール」を選択する。
4.グローバルサイトタグを全てのページの内に埋め込む。
5.イベントスニペットをコンバージョンページの内に埋め込む。グローバルサイトタグより下になるように配置する。
3-2.ツールを導入する
続いてはITP対策を実装している「広告効果測定ツール」を導入し、ツール上でトラッキングを行う方法を紹介します。個人の力でできる対策も、いずれはApple社に対策されることも考えられます。そうなるとアップデートのたびに対策し直すというイタチごっこに時間を費やしかねません。費用面や導入までの期間が待てないということでなければ、ツール導入を検討すべきでしょう。
そこで紹介しておきたいツールが「AD EBiS(アドエビス)」です。
株式会社イルグルム(旧:ロックオン)が提供する広告測定ツールです。同社公式サイトによれば、導入実績は1万件を超えており(アドエビス公式サイト、2026年8月確認)、調査機関の調査では広告効果測定ツールの分野で導入件数No.1とされています。ITPを含めたクッキー規制対応を謳う機能も備えています。
間接効果やアトリビューション分析に強みをもつツールなので、データから仮説検証をおこなうマーケターにとっては導入して損はないツールといえます。
4.まとめ
ITPは、サードパーティーCookieの利用を制限することで、ユーザーに不快な広告などが表示されなくなり、プライバシー保護の観点では不可欠な機能です。しかし、Webマーケターにとっては影響が大きいため自社が使用しているシステムやツールはITP対策ができているのか、対策されていない場合にはどのくらいの損失が出ているのか確認する必要があります。
なお、Safariは引き続きITPを強化する一方、ChromeはサードパーティCookieの完全廃止を見送ったことで、ブラウザ間の方針差が以前よりも大きくなっています。自社ユーザーのブラウザ内訳や各ツール・媒体の最新の対応状況を定期的に確認しながら、今後のITP及びクッキー規制全体の動向に注意していきましょう。
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