SKAdNetworkとは?広告主向けの基礎知識と対応方法を解説

tanakamiho

**【重要なお知らせ】**本記事は当初ATT(App Tracking Transparency)導入直後の情報をもとに作成されました。ATTは2021年4月のiOS 14.5で既に導入済みであり、SKAdNetwork自体もバージョンアップを重ねています。2026年時点では「SKAN 4.0」が現行の主流であり、後継規格とされる「AAK(AdAttributionKit)」への移行が進行中です。以下では基本的な仕組みとともに、最新の状況を解説します。

1.SKAdNetworkとは

SKAdNetworkとは、AppleがiOS/iPadOS/tvOSのアプリデベロッパー向けに提供する、広告効果を計測するためのソリューションです。ユーザーの同意なしに端末を特定するデータを使用せず、プライバシー保護を重視したものとなっています。

Appleが発表したのは2018年ですが、当時はそれほど話題になりませんでした。大きく注目を集めるきっかけとなったのが、AppleがiOS 14.5のアップデート時(2021年4月)にアプリデベロッパーに向けて対応必須としたATT(App Tracking Transparency)です。

ATTフレームワークによって、ユーザーデータの取得はATTポップアップでオプトインしたユーザーのみに制限されました。つまり、端末が特定できる広告 ID(IDFA)を使用した計測がユーザーの同意なしにできなくなりました。そのため、SKAdNetworkのような計測方法が重要性を増していったという経緯です。

Appleはその後もSKAdNetworkの開発を継続し、SKAN 2.0・3.0・4.0と定期的なバージョンアップを重ねてきました。現在ではiOS/iPadOS/tvOSでの広告効果計測の中心的な仕組みとして定着しています。

2.なぜSKAdNetworkが必要になったのか

背景にあるのは、前述のATT(App Tracking Transparency)の影響です。ATTは、ユーザーのプライバシーに配慮したフレームワークです。

具体的には、IDFAを取得する際にはユーザーの許可を求めることが必要になりました。

以前IDFAはユーザーが設定で取得拒否をしていなければ、許可を取らずに取得が可能でしたが、ATT導入後は許可が必要になり、取得は大幅に難しくなりました。

IDFAの取得が難しくなったことで、IDFAを活用したインストールのトラッキングはできなくなり、どの媒体から誰がインストールしたのかを直接追うことは基本的にできません。

(フィンガープリントなどの代替手法で一部補完されるケースもありますが、精度は従来より低くなります。)

そうした背景から、SKAdNetworkはIDFAが取得できなくてもトラッキングできる仕組みとして、広告配信事業者やデベロッパーにとって事実上の標準的な選択肢となっています。

3.SKAdNetworkの仕組み(基本モデル)

では、どのようにして広告効果の計測が行われるのか、基本的な仕組みを見ていきましょう。(以下はSKAN 2~3世代の基本モデルです。SKAN 4.0以降は複数ポストバックや優先度付きリレージウィンドウなど、より精度の高い仕組みに拡張されています。)

まず、広告配信ネットワークはキャンペーンを識別するため、署名付きパラメータを広告に埋め込みます。その広告をユーザーがクリックし、アプリをインストールします。

そして、ユーザーがアプリを起動すると、コンバージョン(以下、CV)情報を送信するための24時間タイマーがスタートします。

このタイマーは、アプリ内に予め設定されたCVイベントをユーザーが経由する度にリセットされ、再びスタートします。そしてユーザーがそれらのイベントを経由する度に、数値が上昇する仕組みになっており、この数値をConversionValueと呼びます。

ユーザーがCVイベントを経由しない状態が24時間以上続くと、ConversionValueが更新されずにタイマーが切れます。タイマーが切れてからランダムなタイミングで(0〜24時間以内)、ポストバックが1度だけ広告配信ネットワークに送られ、広告の効果計測ができる仕組みになっています。

この情報伝達のラグも、ユーザーを特定させないためのSKAdNetworkの大きな特徴のひとつと言えます。

4.SKAdNetworkの基本ポイント

最低限知っておいた方がいいポイントを絞って解説します。

4-1.計測範囲は限定的

SKAdNetworkで計測できる範囲はプライバシーに配慮した思想のため、極めて限定的です。

「どの媒体からインストールが発生したか」は把握することができますが、誰がインストールしたかは把握できません。またSKAN 4.0以降ではインストール後の継続率や課金額なども、以前よりは精度を上げて把握できるようになっていますが、IDFAを使用した従来の計測と同等の精度ではありません。

4-2.SKAdNetworkが利用できるのは一部

SKAdNetworkは、広告を掲載する媒体が「アプリ」に限定されます。WEBサイトの場合はSKAdNetworkを活用してトラッキングすることはできません。

また、アドネットワークによっては、対応していないところも多く存在します。

4-3.広告主は比較的簡単に利用できる

広告計測SDKを導入していれば、広告主は比較的簡単に利用が可能です。

基本的にはSDKの管理画面から必要な設定をすれば完了です。SDKではSKアドネットワーク経由のインストールもレポートで確認することができます。

4-4.2026年時点ではSKAdNetwork対応は実質必須

2021年のATT導入当初は「すぐに対応する必要はない」という見方もありましたが、iOSアプリ広告を行う以上、SKAdNetwork(または後継のAAK)への対応は2026年時点では事実上不可欠となっています。主要な広告配信ネットワークや計測SDK(AppsFlyer、Adjustなど)はSKAN 4.0に対応済みで、広告主側での追加対応は各プラットフォームの管理画面から進められます。

今後はAAK(AdAttributionKit)への移行が進む見込みですが、AppleはSKAdNetworkの廃止時期を明示しておらず、引き続き正式にサポートされています。広告主は利用している計測ツールや媒体の対応状況を、定期的に確認するのが現実的です。

5.まとめ

SKAdNetworkの基本ポイントを解説しましたが、バージョンや仕様は今後も変わっていく可能性があります。もし詳細な最新情報を得たい場合は、広告計測SDKが発信している記事やセミナーに参加することがおすすめです。

比較的最新の情報を発信しており、かつ広告主にはどういった影響や対策が必要なのかを詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

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