Bluesky、新ドメイン「.bsky」をICANNに申請|企業アカウントのハンドル運用はどう変わるか

misosil編集部

Blueskyが、独自のトップレベルドメイン「.bsky」をICANN(ドメイン名の管理を担う非営利団体)に申請した。報じられている使い道は、いまの「@名前.bsky.social」というハンドルを「名前.bsky」まで短くすることだ。ただし、まだ申請の段階であり、承認は決まっていない。承認までは18〜24か月かかる見込みとされ、実際に使えるのは早くても2028年前後になる。

企業アカウントの運用者にとって、今回のニュースで急いで動く必要はない。むしろ重要なのは、いま設定できる「自社ドメインをハンドルにする」運用を先に固めておくことだ。本記事では、報道で分かっている申請内容、現行のドメインハンドル設定手順、.bskyが実現した場合に変わること・変わらないこと、運用判断の基準を順に整理する。

Blueskyが「.bsky」をICANNに申請した件の概要

報じられている申請内容

TechCrunchの2026年10月6日付の記事によると、BlueskyのCEOであるToni Schneider氏が、.bskyを申請したことを明らかにした。.comや.orgと同じ位置づけのドメインの末尾(トップレベルドメイン)として、.bskyを新設したいという内容だ。

記事が挙げる使い道は次のとおり。

  • 長いハンドルを短くできる。例として、@sarahp.bsky.socialが「sarahp.bsky」になる。ただし記事はこの例を仮のものとして扱っている
  • ユーザーのプロフィールを、個人のホームページに近い存在へ広げる構想にもつながる

日本語ではINTERNET Watchが2026年10月7日に報じており、「アカウント名が短くなる可能性」として伝えている。出典はBlueskyの告知ポストとTechCrunchの記事だ。

ICANN側の動きと時期

ICANNは2026年10月7日、新しい汎用トップレベルドメイン(新gTLD)の2026年ラウンドの申請内容を公開した(ICANNはこの日を「Reveal Day」と呼んでいる)。公式発表によると、10月7日時点のスナップショットで申請は1,615件、うちブランド名の申請は333件だ。申請受付は2026年4月30日から8月12日までだった。

今後の主な日程は次のとおり。

時期内容
2026年10月8日〜21日置換文字列への切り替えが可能な期間
2026年11月17日最終的な文字列と競合セットが確定する日
2026年11月17日〜2027年3月16日コミュニティからの意見・異議申立ての期間
2027年前半(日程は未定)審査を進める順番を決める抽選
以降文字列審査(約180日の見込み)、申請者審査、競合解決

ICANNの発表には、委任(実際にインターネット上で使えるようになる時点)の見通しは載っていない。「18〜24か月」という数字は、Schneider氏の説明として報じられているもので、ICANNが示した公式の工程ではない。

公式発表で明らかになっていない点

現時点で、次の点は公式発表では明らかになっていない。

  • .bskyをブランド専用のドメインとして申請したのか、他者にも開放する形なのか(報道は「ブランドTLD」という言葉を使っていない)
  • .bskyドメインの申請・登録・配布の方法
  • 既存の「〜.bsky.social」ハンドルが承認後も残るか
  • 企業や団体が優先的に取得できる仕組みの有無
  • 商標を持つ企業への事前の保護策

Bluesky公式ブログでは、2026年10月10日時点で.bskyの申請を扱った投稿は公開されていない。現時点の情報源は、Schneider氏の告知とICANNの公式発表の2系統に限られる。

収益化はしない方針と報じられている

TechCrunchによると、Blueskyは.bskyドメインを販売したり収益化したりする予定はないとしている。同社のRose Wang COOは「ドメインはオープンなウェブの重要な要素で、ユーザーが自分のオンライン上のアイデンティティを管理できる」という趣旨のコメントを出している。ドメイン販売は同社が掲げるオープンなウェブの考え方に反する、という説明だ。ただしTechCrunchは、これは現時点の方針であり、変更される可能性があるとも指摘している。

現行のドメインハンドル設定手順(企業アカウント向け)

.bskyの実現を待たなくても、Blueskyでは自社で持っているドメインをそのままハンドルにできる。Bluesky公式ブログ「How to verify your Bluesky account」(2023年4月28日)が示す手順は次のとおりだ。

手順1 アプリで自分のDIDを表示する

  1. アプリの左側メニューから「設定」→「アカウント」→「ハンドル」を開く
  2. 「自分のドメインを持っています」(英語表示では「I have my own domain」)を選ぶ
  3. 画面に表示される、did:plc:で始まる識別子(DID)をコピーする

手順2 DNSにTXTレコードを追加する

ドメインのDNS設定(レジストラや、Cloudflareなどを使っている場合はそのDNS管理画面)に、次のレコードを追加する。

項目値
種類TXT
名前_atproto
値did=did:plc:(自分のDID)

me.example.co.jpのようにサブドメインをハンドルにする場合は、名前を_atproto.meとする。反映には数分かかることがあるため、待ってからアプリの「DNSレコードを確認」を押す。

代替手順 HTTPSのwell-knownを使う

多数のアカウントを管理するなど、TXTレコードを増やしたくない場合は、https://(ハンドル)/.well-known/atproto-didにDIDだけを返す方法もある。応答はHTTPステータス200、コンテンツタイプはtext/plainで、本文はDIDのみとする。ブログではこの方法を開発者向けとしている。AT Protocolの仕様(atproto.com)では、両方式の結果が食い違う場合はDNSのTXTが優先される。

ハンドルは双方向で検証される

仕様上、ハンドルは「ハンドルからDIDを引ける」ことと「DIDの情報がそのハンドルを名乗っている」ことの両方が一致して初めて有効になる。DNSの設定を消す、ドメインの更新を忘れる、といった事故があれば、ハンドルは無効(handle.invalid)扱いになる。企業運用で最も起こりやすい事故はここにある。

青いチェックマークとは別の仕組み

注意したいのは、ドメインハンドルを設定しても、青いバッジは付かない点だ。Blueskyの「A New Form of Verification on Bluesky」(2025年4月21日)によれば、青いバッジはBluesky自身が真正かつ著名であると見なしたアカウントに付与される。ほかに、独立した組織が認証を行う「信頼できる認証者(Trusted Verifier)」の仕組みがあり、その場合は青ではなく波形の縁取りのバッジになる。同投稿は、ドメインハンドルを2023年から提供している機能で、認証バッジとは別と説明している。

.bskyが実現した場合に変わること・変わらないこと

ここからは、報道と公式情報をもとにした、当編集部の整理だ。仕様が未発表の部分は、あくまで運用上の想定である。

観点変わる可能性が高いこと変わらないと考えられること
ハンドルの長さ一般ユーザーのハンドルは短くなりうる自社ドメインのハンドルは、そのまま使い続けられる見込み(公式の言及はない)
取得の窓口Bluesky経由の新しい取得手順ができる可能性現行の自社ドメイン設定は仕様として独立している
公式性の見え方「.bsky」自体はBlueskyが運営する枠なので、末尾だけでは企業の公式性を示せない自社ドメインは、自社のウェブサイトと同じ名前で示せる
認証バッジ現時点で関連は発表されていない青いバッジは、ドメインとは別の審査で付与される
提供時期2028年前後(見込み)今日からのハンドル運用には影響しない

末尾が.bskyでも「公式の証明」にはならない可能性

.bskyドメインの発行は、申請者であるBluesky自身が担うと考えるのが自然だ(公式の説明はない)。したがって「名前.bsky」というハンドルは、Blueskyが配る名前であって、その企業が自社で管理するドメインとは違う。一方、example.co.jpのような自社ドメインをハンドルにすると、そのドメインを管理している者だけが設定できるため、公式サイトとアカウントの結びつきを示せる。

この違いは、偽アカウント対策で効く。ユーザーは「このアカウントは、あの会社のウェブサイトと同じ名前だ」と見て判断できるからだ。短さを優先して.bskyのハンドルに乗り換えると、この利点を手放す恐れがある。ただし、.bskyの発行条件や企業向けの保護策が公表されていないため、現時点での評価は保留とするのが妥当だ。

短くなる利点は限定的かもしれない

文字数が減るメリットは、名刺や広告クリエイティブにハンドルを載せる場面や、投稿内のメンションで大きい。一方、企業アカウントは、すでに自社ドメイン(例えばbrand.jp)をハンドルにしていれば、十分に短く、覚えやすいケースが多い。短縮の恩恵が大きいのは、brand-official-japan.bsky.socialのように長いハンドルを使っている場合だ。

企業アカウント運用者の判断基準とチェックリスト

今すぐやること

  • 自社の公式ドメインでハンドルを設定する(brand.co.jp、またはsns.brand.co.jp)
  • ドメインの管理者(情報システム部門、制作会社など)を確認し、TXTレコード追加の依頼ルートを決める
  • DNSの変更履歴が残る運用にする。TXTレコードを誤って削除すると、ハンドルが無効になる
  • ドメインの更新期限を、SNS担当者の共有カレンダーにも入れる
  • 公式サイトからBlueskyアカウントへのリンクを置き、双方向の結びつきを作る
  • ハンドル変更前のURL(プロフィールURL)が、広告・資料・プロフィール欄に残っていないか洗い出す

承認前の段階で決めておく判断

判断事項推奨理由
.bskyの取得を前提に計画を立てるか立てない承認は決まっておらず、配布方法も未発表
既存のハンドルを変更するか変更しない自社ドメインの運用は現行仕様で動いている
社名・ブランド名の保護情報を追う優先取得や商標の扱いが発表されるまで動けない
社内への説明「申請段階」と明記する承認済みと誤解した情報が社内に回ると、関係者の判断を誤らせる

公式性の示し方は複数持つ

Blueskyの公式性は、1つの要素に頼らないほうが安全だ。自社ドメインのハンドルで「ドメインの管理者であること」を示し、公式サイトからのリンクで相互に結びつけ、必要なら認証バッジの申請を検討する。この3層に分けておけば、.bskyの条件が分かった時点で、どれを入れ替えるかを個別に判断できる。

偽アカウントやなりすましへの備えは、他のSNSと共通の論点だ。炎上や誤情報への初動の考え方は炎上対策の体制づくり|クライシスマネジメントで整える監視・初動・役割分担が参考になる。

効果測定は「ハンドル」ではなく中身で見る

ハンドルを短くしても、フォロワーや反応が自動的に増えるわけではない。変更の効果を測るには、変更前後でプロフィール閲覧、リンククリック、フォロワー増加をそろえて比べる設計が要る。指標の置き方はSNSのKPI設計|媒体別の指標一覧とレポートの作り方で整理している。アルゴリズムやフィードとの付き合い方はBluesky、「バズりたくない」人のためのアルゴリズムオプトアウト機能を追加。仕組みと設定方法も参照してほしい。新興SNS全体の中でBlueskyをどう位置づけるかは『Twitter』ブランドが復活?新興SNS「Twitter.now」を企業SNS担当者はどう見るべきかが手がかりになる。

現行の自社ドメインハンドルと、申請中の.bskyを比較した図。承認前の段階と、企業運用での判断軸を示す 現行の自社ドメインハンドルと申請中の.bskyの違い(2026年10月時点)

よくある質問(FAQ)

Q1. .bskyはもう使えるのか

使えない。申請が公開された段階で、承認されていない。ICANNの文字列審査は約180日の見込みとされ、その後に申請者の審査や競合解決が続く。Schneider氏の説明では、全体で18〜24か月かかる見込みだ。

Q2. 「.bsky」はブランドTLDなのか

現時点では分からない。ICANNは申請1,615件のうち333件をブランド申請と公表しているが、.bskyがそのどれに当たるのかは、報道では触れられていない。運営形態や配布の枠組みの詳細は、今後の発表を待つ必要がある。

Q3. 今の「〜.bsky.social」のハンドルは、使えなくなるのか

公式発表では明らかになっていない。既存ハンドルが残るかどうかは、報道でも言及がない。現時点で「なくなる」とも「残る」とも断定できない。

Q4. .bskyドメインは有料になるのか

Blueskyは販売や収益化をする予定はないと説明していると報じられている。ただし、配布方法そのものが未公表で、この方針も現時点のものだ。

Q5. すでに自社ドメインをハンドルにしている場合、何かすべきか

すぐにやることはない。DNSのTXTレコードを維持し、ドメインの更新を切らさないことが基本だ。承認の進み具合は、ICANNの公表情報(2026年11月17日の文字列確定など)で追える。

Q6. 自社ドメインのハンドルにすると、青いバッジは付くのか

付かない。ドメインハンドルとバッジは別の仕組みだ。バッジは、Bluesky自身が真正かつ著名と見なしたアカウントや、信頼できる認証者が認証したアカウントが対象になる。

Q7. 個人名や社名を、先に押さえておけるのか

今は押さえられない。取得方法が未発表だからだ。優先権や商標の扱いが示された時点で、法務・知財の担当者と一緒に対応を決めることになる。

まとめ

  • Blueskyは.bskyをICANNに申請した。承認前であり、18〜24か月かかる見込みと報じられている
  • ICANNは2026年10月7日に1,615件の申請を公開し、文字列確定は11月17日、委任の見通しは公表されていない
  • 登録方法、既存ハンドルの扱い、企業向けの保護策は、公式発表では明らかになっていない
  • 企業アカウントは、自社ドメインをハンドルにする現行の手順を先に整えておく。DNSの管理と更新期限が、運用の最大のリスクだ
  • 公式性は、自社ドメイン・公式サイトとの相互リンク・必要に応じた認証バッジの3層で示す

.bskyの条件が公表されたら、短縮の利点と、自社ドメインが持つ公式性の証明力とを比べて判断すればよい。それまでは、既存の運用を崩さずに情報を追うのが現実的だ。

参考(出典)

関連する記事

まずは無料で相談