エゴサーチのやり方【企業アカウント版】X・インスタ・TikTokの検索術と続けるコツ

tanakamiho

エゴサーチは、自分の名前や自社の商品名をSNSや検索エンジンで検索して、どう語られているかを確かめる行為だ。個人がやるものというイメージが強いが、企業アカウントの運用では、お客様の声を最も早く・安く拾う手段になる。

この記事では、企業アカウントの担当者がX・Instagram・TikTokでエゴサーチをするときの具体的な検索方法を示し、見つけた投稿にどう対応するか、そして手作業のエゴサーチをいつやめてツールに切り替えるかまで扱う。

企業がエゴサーチをする目的

企業アカウントのエゴサーチは、目的を決めてから始める。目的によって見るべきキーワードと頻度が変わる。

目的見るもの頻度の目安
お客様の反応を知る商品名・サービス名の言及週1回〜毎日
不満・トラブルの早期発見「使えない」「壊れた」「届かない」などと組み合わせた言及毎日
投稿ネタを拾う想定外の使い方、比較されている競合週1回
キャンペーンの反応を追うキャンペーン名・ハッシュタグ実施中は数時間おき
炎上の兆候をつかむ社名・商品名の言及数の急増毎日(平常時の件数を把握しておく)

「なんとなく自社名を検索する」のではなく、何を判断するために見るのかを先に決めると、見つけた投稿への対応も決まる。

検索するキーワードを設計する

エゴサーチの精度は、検索語の設計でほぼ決まる。自社名だけでは半分も拾えない。

表記ゆれを全部並べる

社名や商品名は、ユーザーが正式名称で書くとは限らない。漢字・ひらがな・カタカナ・英字・略称・愛称を並べる。たとえば「株式会社〇〇」は「〇〇」「まるまる」「〇〇社」「〇〇のやつ」と書かれる。

商品名の呼ばれ方を調べる

商品名は正式名称より通称で呼ばれることが多い。まず自社名で検索し、見つかった投稿の中でユーザーがどう呼んでいるかを集める。その呼び方を検索語に加える。

自社名を出さない言及を拾う語を足す

「あの会社の広告」「例のCM」のように、名前を出さずに言及されることがある。キャンペーンの特徴的なフレーズ、CMの出演者名、パッケージの色や形など、自社名以外で自社を指す語を足す。

除外語を決める

同名の別企業、一般名詞と重なる商品名は、除外語を使って絞る。Xなら「-キーワード」で除外できる。

企業アカウントのエゴサーチで検索語を設計する手順を、表記ゆれ・通称・自社名を出さない言及・除外語の4つで整理した図解 自社名だけでは半分も拾えない。呼ばれ方を集めて検索語に足していく

X(Twitter)でのエゴサーチ

Xは検索コマンドが豊富で、エゴサーチに最も向いている。

基本の検索

検索窓に社名や商品名を入れ、「最新」タブに切り替える。「話題」タブは反応の多い投稿が優先されるので、全量を見るなら「最新」を使う。

よく使う検索コマンド

コマンド意味
"〇〇"完全一致"〇〇 使いにくい"
〇〇 OR △△どちらかを含む〇〇 OR まるまる
-△△除外〇〇 -採用
min_faves:10いいね10以上反応のある投稿だけ見る
since:2026-09-01指定日以降期間を絞る
-filter:repliesリプライを除く元投稿だけ見る
lang:ja日本語のみ海外の同名を除く

たとえば、先週以降の自社名を含む投稿から、自社アカウントのものを除いて、反応のある順に見たいなら、"〇〇" -from:自社アカウント since:2026-09-01 min_faves:5 のように組み合わせる。コマンドの一覧は【2026年版】知っておくと便利!X(旧Twitter)の検索コマンドと高度な検索にまとめている。

検索を保存する

Xでは検索結果画面の「…」から検索を保存できる。設計した検索語を保存しておけば、毎回入力せずに同じ条件で確認できる。見つけた投稿を記録しておくには、いいねではなくブックマークを使う。理由はXのブックマークとは?使い方・相手にバレるか・一括削除・フォルダ分け【2026年版】で説明している。

Yahoo!リアルタイム検索

Xの投稿を検索できる外部サービスで、投稿数の推移がグラフで見えるのが特徴だ。「今日は言及が多い」という異変に気づくのに向いている。Xの検索と併用する。

Instagramでのエゴサーチ

Instagramは、Xと違って本文の全文検索が弱い。次の3つを組み合わせる。

  • ハッシュタグ検索#社名 #商品名 で検索する。お客様が付けてくれるタグは、正式名称と通称の両方を確認する
  • タグ付けされた投稿:自社プロフィールの「タグ付けされた投稿」タブ。お客様が自社をタグ付けした投稿がここに集まる。タグ付けの仕組みはインスタのタグ付けのやり方・外し方・非表示設定|勝手にタグ付けされたときの対処を参照
  • メンション通知:ストーリーズで自社がメンションされると、DMに通知が届く。ストーリーズは24時間で消えるので、通知を見たらその日のうちに確認する

Instagramは「自社名を出さずに商品だけ写っている投稿」が多く、検索では拾えない。商品の特徴的な見た目を表すハッシュタグ(色、形、使うシーン)も試す。

TikTokでのエゴサーチ

TikTokの検索は、動画の本文・ハッシュタグ・音声の内容まで対象になる。社名や商品名を検索し、「最新」に並び替えるのが基本だ。

TikTokはコメント欄に反応が集まりやすい。自社に関する動画を見つけたら、動画そのものよりコメント欄を読むと、視聴者の受け止め方が分かる。

見つけた投稿への対応ルール

エゴサーチで見つけた投稿に、公式アカウントがどう反応するかは、あらかじめルールを決めておく。担当者の気分で反応が変わると、「あの投稿には反応したのに」という不満につながる。

投稿の種類対応の目安
好意的な言及いいね、または短いお礼の返信。全部に反応する必要はないが、基準を決める
質問公式として答えられる範囲で返信する。個別対応が必要なものはDMや問い合わせ窓口へ
不満・トラブルすぐには反応しない。 事実を確認し、対応方針を決めてから。公開の場で言い訳をしない
誤情報訂正が必要なら、公式アカウントの投稿として正しい情報を出す。相手の投稿に直接反論しない
誹謗中傷反応しない。記録して、程度によっては通報や法的対応を検討する

とくに不満への対応は、炎上対策の体制づくり|クライシスマネジメントで整える監視・初動・役割分担で扱っている「事実確認を先にする」原則に沿う。エゴサーチは発見の手段で、対応の判断は別に置く。

エゴサーチが有効なアカウントの例

エゴサーチを運用の軸にしてきた企業アカウントとして知られるのが、「岩下の新生姜」の岩下食品と、「ブルーベリーアイ」のわかさ生活だ。岩下食品は社長自身が自社への言及を見つけては反応する運用を長く続け、わかさ生活は新入社員が担当した公式アカウントが「エゴサ力」で話題になった。

共通しているのは、見つけた投稿に反応する速さと、反応の基準が一貫していることだ。エゴサーチそのものより、そのあとの動き方がアカウントの印象を作っている。

手作業のエゴサーチをやめる目安

エゴサーチは無料で始められるが、手作業には限界がある。次のどれかに当たったら、ソーシャルリスニングのツールに切り替える。

  • 1日の言及が数十件を超え、目視で追いきれない
  • 過去の推移を見たいが、SNSの検索では古い投稿が拾えない
  • 複数のSNSを横断して見たい
  • 言及数の増減をグラフで追い、急増を検知したい
  • 担当者が変わると記録が引き継がれない

ツールを使うと、検索語の設計はそのままに、収集・記録・件数の推移が自動化される。体系的な進め方はソーシャルリスニングでもっとSNSを効果的に運用しよう。ハウツーを解説、AIを使った分析はAI時代のソーシャルリスニングとは?顧客インサイトを掘り起こす最新手法を解説を参照してほしい。

まとめ

  • 企業のエゴサーチは目的を決めてから。目的で検索語と頻度が決まる
  • 検索語は表記ゆれ・通称・自社名を出さない言及・除外語で設計する。自社名だけでは足りない
  • Xは検索コマンドと「最新」タブ、Instagramはハッシュタグとタグ付け投稿、TikTokは検索とコメント欄
  • 見つけた投稿への対応ルールを先に決める。不満にはすぐ反応しない
  • 1日数十件を超えたら、手作業をやめてツールに切り替える

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