Reddit、広告目標に「15秒エンゲージド動画ビュー」を追加 6秒目標と使い分け可能に

misosil編集部

Redditが動画広告の最適化目標に、新しく「15秒エンゲージド動画ビュー(15-Second Engaged Video Views)」を追加した。これまでの主力だった「6秒エンゲージド動画ビュー」に加える形で、グローバルの全広告主に対してパブリックベータとして提供が始まっている。予告編や製品デモのように、視聴が長く続くほど成果につながるクリエイティブに向けた目標で、6秒目標が担ってきた「注目を集めるだけの短尺」とは異なる評価軸を広告主に与えるものだ。本記事では、Social Media TodayとBestMediaInfoの報道をもとに、新目標の仕様と、企業のSNS運用担当者が今のうちに整理しておくべき使い分けの考え方を解説する。Redditというプラットフォーム自体の特徴や料金プランについては「Reddit(レディット)とは?特徴や使い方、料金プランなどを徹底解説」で詳しく紹介しているので、あわせて参照してほしい。

何が発表されたのか

Redditは2026年9月2日、動画広告の最適化・課金オプションとして「15秒エンゲージド動画ビュー」をグローバルで公開ベータ提供すると発表した。対象は特定の業種やアカウント規模に限定されておらず、世界中の広告主が利用できる。ベータ期間中は、既存の6秒目標との効果差を検証するA/Bテストの実施も可能とされている。

この目標は、2025年9月に追加された「6秒エンゲージド動画ビュー」(さらにその前身である2秒ビュー目標からの置き換え)に続く、動画広告メニューの拡張という位置づけだ。Redditはここ1年ほど、単純な表示回数や再生開始数ではなく「どれだけ深く見られたか」を軸にした課金・最適化の選択肢を段階的に増やしている。

計測の仕組みはシンプルだ。動画の尺が15秒以下であれば、視聴が最後まで完了した時点でカウントされる。動画の尺が15秒を超える場合は、少なくとも15秒間視聴された時点でカウントされる。6秒目標と同じ考え方で、「一定の時間、能動的に見続けたユーザー」への露出を最適化・課金対象にする仕組みだ。

6秒目標との違いを整理する

Redditは今回、15秒目標を「6秒目標に取って代わるもの」ではなく「補完するもの」と位置づけている。どちらを選ぶべきかは、クリエイティブが何秒で伝えたい情報を伝えきれるかによって変わる。

比較項目6秒エンゲージド動画ビュー15秒エンゲージド動画ビュー
提供開始2025年9月2026年9月(グローバル・ベータ)
狙い素早いメッセージ伝達、注目喚起ストーリーや価値提案をじっくり伝える
カウント基準完全視聴、または少なくとも6秒視聴完全視聴(15秒以下)、または少なくとも15秒視聴(15秒超)
向くクリエイティブロゴ訴求、キャッチコピー中心の短尺予告編、製品デモ、機能説明、推薦・レビュー、ブランドストーリー
初期テストの結果ビュースルーレート130%増、完了率71%向上(Reddit公表値)ビュースルーレート51%増、完了率71%向上(Reddit公表値、アルファテスト)

6秒目標がロゴやキャッチコピーを一瞬で刷り込む「刈り取り型」の短尺クリエイティブに向くのに対し、15秒目標は「見てもらえれば刺さるが、そこまで到達させるのが難しい」タイプのクリエイティブを底上げする目標だと理解するとわかりやすい。Redditは15秒間の視聴について、ユーザーが「ストーリー・製品価値・ブランドメッセージを吸収するのに十分な時間、留まった」ことを示すシグナルだと説明している。

どんな広告フォーマットに向いているか

Reddit側が具体例として挙げているのは、次のようなクリエイティブだ。

  • 映画・ドラマ・ゲームの予告編(トレーラー)
  • 製品の使い方を見せるデモ動画
  • 機能説明を含むプロダクト紹介
  • ユーザーの声・推薦文(テスティモニアル)を使った動画
  • ブランドの世界観を伝えるストーリー訴求の動画

共通しているのは、いずれも「オチ」や「訴求ポイント」が動画の後半にあるという点だ。6秒程度で終わる短尺クリエイティブでは、こうしたコンテンツの本当の見せ場に到達する前に離脱されてしまい、広告効果を正しく評価できない。15秒目標は、その「後半まで見た人」に絞って最適化をかけられる点が強みになる。

独自視点:企業アカウント運用者はどう使い分けるべきか

ここからは一次情報だけでは語られていない、実務担当者向けの視点を整理する。

クリエイティブの「情報の山場」がどこにあるかで選ぶ

まず確認すべきは、自社の動画クリエイティブが何秒目に最も重要な情報を置いているかだ。冒頭2〜3秒でブランドロゴと一言コピーを見せて終わるタイプの素材は、6秒目標のままで問題ない。むしろ15秒目標に切り替えると、そもそも15秒間視聴されるユーザーの母数が絞られ、配信のボリュームが不足するリスクがある。

一方、製品の使用シーンや導入前後の比較、複数の機能をテンポよく見せる編集の動画は、6秒目標のままだと「冒頭だけ見て離脱した層」まで最適化の母集団に含まれてしまい、本来届けたい「じっくり検討している見込み客」に配信が偏らない可能性がある。こうした動画は15秒目標に切り替える価値が大きい。

既存クリエイティブをそのまま使い回さない

見落とされがちなのが、6秒目標向けに編集された動画をそのまま15秒目標に流用するケースだ。6秒目標を意識した動画は、冒頭に情報を詰め込み15秒以降は同じカットの繰り返しやアウトロで間延びしていることが多い。この状態で15秒目標に切り替えても、15秒時点で得られる情報量が薄いままなので、ビュースルーレートの改善は期待しにくい。

15秒目標で成果を出すには、6〜15秒の間に「なぜ見続ける価値があるか」を示す新しい情報(機能の切り替え、Before/After、具体的な数字など)を配置し直す編集の見直しが必要になる。既存素材の使い回しではなく、15秒という尺を前提にした構成の再設計が実質的な前提条件だと考えたほうがよい。

Reddit広告の15秒エンゲージド動画ビュー目標と6秒目標の使い分け クリエイティブの山場が何秒目にあるかで、6秒目標と15秒目標のどちらを選ぶかが変わる

A/Bテストは「同じ動画」ではなく「同じ企画の2バージョン」で行う

ベータ期間中はA/Bテストが可能とされているが、同じ動画素材を6秒目標と15秒目標にただ振り分けるだけでは、比較の意味が薄い。前述の通りクリエイティブの設計思想自体が異なるため、公平な比較をするなら「同じ企画・同じメッセージを、6秒版と15秒版それぞれの尺に合わせて別々に編集したバージョン」を用意し、目標を対応させてテストするほうが、次のクリエイティブ制作方針を判断する材料として実用的だ。

予算配分の目安

すでにRedditで動画広告を運用しているアカウントであれば、まずは配信量の一部(目安として予算の10〜20%程度)を15秒目標に振り分けてテストし、ビュースルーレートや完了率、その先のクリック率・コンバージョンへの影響を6秒目標と比較する進め方が現実的だ。効果測定の際は、単純な視聴数だけでなく「エンゲージメント率とは?計算方法や高める方法も解説」で紹介しているような指標もあわせて確認し、視聴の深さがフォロー・保存・コメントなどの反応につながっているかまで見ておきたい。ベータ提供中は仕様や配信ロジックが変更される可能性もあるため、全予算を一気に切り替えるのではなく、段階的な検証を挟むことをおすすめする。

よくある質問

Q. 15秒エンゲージド動画ビューは日本のアカウントでも使えるか。 A. 報道によれば全世界の広告主を対象にしたグローバル展開とされており、地域を絞った限定提供とは説明されていない。ただし管理画面上での表示タイミングはアカウントによって差が出る可能性があるため、実際に自社アカウントの広告目標一覧に表示されているかを確認するのが確実だ。

Q. 15秒に満たない動画では新目標を使えないのか。 A. 15秒以下の動画でも設定は可能で、その場合は動画が最後まで完全に視聴された時点でカウントされる仕組みとされている。ただし、そもそも尺が短い動画では6秒目標との差が出にくいため、実務的には15秒以上の動画で使うことを想定した目標と捉えたほうがよい。

Q. 6秒目標は今後廃止されるのか。 A. 現時点の報道では、15秒目標は6秒目標を置き換えるものではなく「補完する」新しい選択肢として追加されたとされている。廃止に関する言及は確認できていない。

Q. どちらの目標がクリック率やコンバージョンに直結しやすいか。 A. 一次情報では視聴完了率やビュースルーレートの改善は報告されているが、クリック率やコンバージョン率への影響は明言されていない。動画の内容や業種によって差が出る部分のため、自社での比較検証が必要だ。

まとめ

Redditは2026年9月、動画広告の最適化目標に「15秒エンゲージド動画ビュー」を追加し、グローバルの全広告主にパブリックベータとして提供を始めた。2025年9月に追加された「6秒エンゲージド動画ビュー」を置き換えるものではなく、予告編や製品デモのように長めの視聴が効果につながるクリエイティブ向けの新しい選択肢という位置づけだ。

企業のSNS運用担当者にとって重要なのは、目標を切り替えるだけでなく、クリエイティブ自体の情報設計を15秒という尺に合わせて見直すことだ。6秒向けに作られた動画をそのまま流用しても効果は限定的で、6〜15秒の間に見続ける理由を示す情報をどう配置するかが、この新目標を活用できるかどうかの分かれ目になる。まずは予算の一部を使った小規模なテストから始め、自社の動画クリエイティブとの相性を見極めていきたい。

出典

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