Pinterest、Visual Search AdsとAI「Restyle」機能を発表。広告主サミットの新施策まとめ

misosil編集部

Pinterestは2026年9月17日、年次の広告主向けイベント「Pinterest Presents」で、新しい広告フォーマット「Visual Search Ads」と、AIで部屋の模様替え案を提案する消費者向け機能「Restyle」をあわせて発表した(Pinterest Newsroom, 2026年9月17日)。広告面ではこのほかに「Priority Products」やセルフサービスのA/Bテスト機能、App Promotionの拡大も同時に案内されている。

本記事では、Pinterest公式ニュースルームの発表内容と、TechCrunch・Search Engine Landなど海外メディアの報道をもとに、それぞれの機能の仕組みと対象地域、企業アカウント運用者が今のうちに押さえておくべき点を整理する。2026年9月18日時点で、これらの機能に関する日本語の解説記事は確認できていない。

Visual Search Adsとは何か

Visual Search Adsは、検索結果の一覧画面とピンの詳細画面(クローズアップ画面)に表示される新しい広告フォーマットだ。Pinterest Newsroomの説明によると、キーワードによる関連性判定と、Pinterest独自のビジュアル検索フォーマットを組み合わせており、広告主はユーザーが検索・比較・購買を決定するまでの過程に接触機会を持てるようになる。

Search Engine Landの報道では、Pinterest CEOのBill Readyのコメントとして、消費者が「キーワードだけでなく、より豊かなシグナルを通じて求めるものを表現している」という発言が紹介されている。Visual Search Adsは、この「言葉にしにくい好み」をくみ取るビジュアル検索の仕組みを、そのまま広告の配置面として使う発想の広告フォーマットだと理解しておくとよい。

Pinterest Newsroomが挙げる規模感の数値は次のとおりだ。

指標数値
月間の検索実行回数800億件超
うち商業的意図を含む検索の割合50%超
App Promotionのある事例でのコスト改善85%改善

「800億件超の検索のうち半数以上が商業的意図を持つ」という規模の大きさが、Pinterestが検索結果面への新しい広告枠を投入する背景になっている。

同時発表された3つのPerformance+関連機能

Visual Search Adsとあわせて、既存の自動化広告ソリューション「Performance+」まわりでも3つの機能追加が発表されている。

  • Priority Products:季節商品やプロモーション施策の際に、優先して配信したい特定の商品を広告主が指定できる機能。自動化されたキャンペーン最適化の枠組みは維持したまま、特定商品を優先露出させたい場面に対応する
  • セルフサービスA/Bテスト:クリエイティブやターゲティングの違いを広告主自身が比較検証できる機能。Search Engine Landは「戦略比較と結果測定が可能になる」と評している
  • App Promotion:アプリインストールの獲得に特化した広告メニューで、対象の広告主向けにグローバルベータとして提供中

Visual Search Ads自体も、この一連の「AI駆動型パフォーマンス広告スイート」の一部として位置づけられており、下層ファネル(購買に近い段階)の成果を狙う施策として案内されている。

Pinterestが発表したVisual Search Ads・Restyle・関連新機能を、対象地域・提供時期の観点で整理した図解 2026年9月17日発表の新機能と、それぞれの対象地域・提供時期の関係

Restyle:部屋の写真をAIで模様替えする消費者向け機能

Restyleは、ユーザーが自分の部屋を撮影した写真をもとに、AIが壁のアートや家具、アクセサリーなどを追加・変更して、異なるインテリア案を視覚化できるベータ機能だ。TechCrunchの報道によると、ボヘミアン調やインダストリアル調といった複数のスタイルで部屋を再現できるほか、提案されたアイテムを個別にスワップ・削除・編集することもでき、Pinterest上で保存済みの画像からアイテムを取り込むことも可能だという。

対象地域は「米国とカナダでの初期プレビュー」に限られており、本格展開は「来月(2026年10月)」を予定しているとTechCrunchは伝えている。技術基盤としては、「Pinterest Intelligence」と、NVIDIAのBlackwell GPUおよびオープンソースモデルを組み合わせて構築されているとも報じられており、2026年9月14日に発表されたばかりのPinterestとNVIDIAのAI基盤提携が、わずか3日後には消費者向け機能という形で早くも姿を見せたことになる。両社のAI基盤提携の詳細は、Pinterest、NvidiaとAI基盤提携。検索・レコメンドが最大85倍高速化した仕組みと広告への影響で解説している。

Restyleは広告主が直接使う機能ではないが、ユーザーが保存したインテリア画像を実際の空間に当てはめて検討する体験は、家具・インテリア・住宅関連の広告主にとって購買意欲を後押しする効果が見込まれる。ユーザーの滞在時間や保存行動が増えれば、Visual Search Adsのようなビジュアル検索連動広告の接触機会そのものも増えると考えられる。

【独自視点】企業アカウント運用者は今、何をすべきか

今回の発表は「米国とカナダのベータ」「今後数週間でのベータ展開」という段階のものが中心で、日本の広告主アカウントで今日から使える機能ではない。ただし、企業アカウント運用者が押さえておくべき実務上のポイントは3つある。

1. Visual Search Adsのベータ招待に備えて商品画像を整理しておく

Visual Search Adsは検索結果とピン詳細画面という「ビジュアル検索の文脈」に出稿する広告のため、通常のテキスト訴求よりも商品画像そのものの質が成果を左右しやすい。ベータが自社アカウントに展開されたときにすぐ着手できるよう、商品カタログの画像を高解像度かつ背景がすっきりしたものに揃えておくと、展開後の立ち上がりが早くなる。

2. Restyleの提供開始は「参考事例」の収集タイミングとして捉える

Restyleは広告メニューではなく消費者向け機能だが、家具・インテリア・住宅設備を扱う広告主にとっては、自社商品がユーザーのRestyle体験の中でどう表示されるか(あるいはされないか)を早期に確認しておく価値がある。米国・カナダでの提供開始後、自社の海外拠点や提携先経由で実際の見え方を確認できるなら、日本展開に先立って検証しておくと展開後の対応が早い。

3. Priority Productsは季節商材のある広告主ほど優先度が高い

セール時期や季節商品の入れ替えが多い業種では、Priority Productsが日本のアカウントに展開された際に真っ先に試す価値がある機能だ。Performance+の自動化を維持したまま特定商品を優先露出できる設計のため、既存のPerformance+運用フローに組み込みやすい。Performance+全体の機能整理はPinterest広告のAI機能まとめ2026|Performance+の全貌とBusiness Assistant・MCPの現状を参照してほしい。

日本の広告主への展開時期は

2026年9月18日時点の公式発表では、日本を含むアジア圏への展開時期は明言されていない。Visual Search Adsは「今後数週間ですべてのPinterest広告市場で適格な広告主向けにベータ提供」とされているため、対象国が明示されていないという点では日本も対象に含まれる可能性はあるが、実際に自社アカウントの管理画面に表示されるかどうかは、Ads Manager上での案内を都度確認するのが確実だ。Restyleについては「米国・カナダでの初期プレビュー」と地域が明示されているため、日本での提供時期はさらに先になる見込みが高い。

よくある質問

Q. Visual Search Adsは今すぐ出稿できますか。

A. 2026年9月18日時点では「今後数週間でベータ提供」とされており、即座に全広告主が使える状態ではない。対象になった場合はPinterest Ads Manager上で案内があると考えられる。

Q. Restyleは広告主が使う機能ですか。

A. いいえ、Restyleはユーザー(消費者)が自分の部屋の写真をもとにインテリア案を試せる機能で、広告出稿の機能ではない。ただし家具・インテリア系の広告主にとっては、自社商品の見え方や購買意欲への波及効果という点で間接的に関係する。

Q. RestyleとNVIDIAとの提携に直接の関係はありますか。

A. 報道によれば、RestyleはPinterest Intelligenceに加えてNVIDIAのBlackwell GPUとオープンソースモデルを組み合わせて構築されているとされる。2026年9月14日に発表されたPinterestとNVIDIAのAI基盤提携が、消費者向け機能として具体化した事例のひとつといえる。

Q. Priority ProductsはPerformance+を使っていなくても使えますか。

A. 公式発表・報道の範囲では、Priority ProductsはPerformance+まわりの機能拡張として案内されており、既存のPerformance+運用を前提とした機能と位置づけられている。詳細な適用条件はPinterest Business公式ヘルプでの案内を確認したい。

まとめ

  • Pinterestは2026年9月17日、「Pinterest Presents」で新広告フォーマット「Visual Search Ads」と、AIインテリア機能「Restyle」を発表した
  • Visual Search Adsは検索結果・ピン詳細画面に表示される広告で、今後数週間ですべての広告市場で適格な広告主向けにベータ提供予定
  • あわせてPriority Products・セルフサービスA/Bテスト・App Promotionの拡大も発表された
  • Restyleは米国・カナダでの初期プレビューにとどまり、本格展開は10月を予定。技術的にはNVIDIAとのAI基盤提携の成果が早くも活用されている
  • 日本への展開時期は明言されておらず、企業アカウント運用者は商品画像の整備やPriority Productsの活用準備など、展開後すぐ動ける下準備を進めておくのが現実的

出典

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