Meta、クリエイターマーケティングハブを刷新 ブランド×クリエイターのマッチングを効率化
Metaが「Creator Marketing Hub」を刷新し発見フィルターを追加。9/29からInstagramでライブ動画広告も開始予定。企業アカウント運用者の準備ポイントを解説。
Metaがブランドとクリエイターをつなぐ管理画面を大きく作り直した。2026年9月15日、業界メディアSocial Media Todayが報じたところによると、これまで別々のツールだった「Creator Marketplace」(クリエイター発見)と「Partnership Ads Hub」(パートナーシップ広告の作成)が「Creator Marketing Hub」という一つの管理画面に統合された。新しい発見フィルターや権限管理機能が追加されたほか、9月29日からはInstagramでもライブ動画配信をそのままパートナーシップ広告として配信できるようになる予定だ。
これまでブランド側の担当者は、まずMarketplaceでクリエイターを探し、条件が合えば別画面のPartnership Ads Hubで広告化の手続きをする、という2段階の作業を強いられていた。この分断が一本化されたことで、発見から広告化までの導線が短くなる。特にリソースの限られた運用チームにとっては、ツール間の行き来だけで発生していた工数そのものが減る変更といえる。本記事では刷新内容の詳細と、9月29日のライブ動画広告開始に向けて企業アカウント運用者が今から準備すべきことを整理する。
Creator Marketing Hubとは何か Marketplace と Partnership Ads Hub の統合
Creator Marketing Hubは、従来Metaが別々に提供していた2つのツールを1つの画面にまとめたものだ。
- Creator Marketplace:ブランドがクリエイターを検索・発見するための機能
- Partnership Ads Hub:クリエイターの投稿をクリエイター本人の許諾のもとでパートナーシップ広告(旧ブランデッドコンテンツ広告)として配信するための機能
これまではクリエイターを探す作業と、見つけたクリエイターの投稿を広告化する作業が別のインターフェースで行われていたため、担当者は「誰と組むか」を決めた後、改めて広告化のための画面に移動して権限設定や入稿作業をやり直す必要があった。Creator Marketing Hubでは、この一連の流れが1つの画面で完結するように設計されている。
加えて、報道によればこれまでInstagramのクリエイターが中心だった検索対象に、Facebookのクリエイターも新たにロースターとして加わったとされる。プラットフォームをまたいでクリエイターを比較検討できるようになる点は、Facebookページも運用している企業にとって実務上のメリットになりやすい。
新しい発見フィルターで何が変わるか
Social Media Todayの報道では、Creator Marketing Hubに以下のような発見・マッチング機能が追加されたと伝えられている。
- 目的(ブランド認知、コンバージョンなど)に基づいたコンテンツ・クリエイターの推奨機能
- アフィリエイト向けコンテンツを予測して検索できるフィルター
- コンテンツ単位での利用許諾(パーミッション)設定と、許諾期限(エクスピレーション)の管理機能
- 著作権保護された音楽やステッカーを取り除くなど、広告化する際の編集機能の強化
これまでの検索は「業種」「フォロワー数」「エンゲージメント率」といった属性ベースのフィルターが中心だった。今回追加されたとされる目的ベースの推奨や予測検索は、ブランド側が「このキャンペーンの目的に近い実績を持つクリエイター」を絞り込みやすくする方向の変更だ。あわせて、投稿ごとに利用許諾の期限を設定できるようになったことで、キャンペーン終了後に許諾の切れた投稿を広告出稿し続けてしまうリスクも管理しやすくなる。
ワンクリック広告化とAPI開放で運用の手間はどう減るか
ハブの刷新にあわせて、広告化そのものの手順も簡略化されたと報じられている。
- ワンクリックでの広告作成機能
- ハブ内でブランドとクリエイターが直接やり取りできるメッセージング機能(発見から提案までを一画面で完結)
- Creator Marketplace APIとMessaging APIの対象拡大(Facebookクリエイターも含む)
特にAPIの対象拡大は、複数のクリエイターとの契約や広告化を並行して進める代理店・インハウスチームにとって影響が大きい。自社の管理システムやスプレッドシートと連携させている運用チームであれば、API経由での情報取得・申請フローの見直しを検討する余地がある。なお、報道の一部ではMeta AIのビジネスアシスタント機能がハブに統合されたとも伝えられているが、この点は情報源が限定的なため、実際の挙動は自社アカウントでの表示を確認した上で判断したい。
9月29日開始、Instagramのライブ動画広告とは
今回の刷新とあわせて発表されたもう一つの大きな変更が、ライブ動画広告のInstagramへの展開だ。ライブ配信をパートナーシップ広告として配信する仕組みは、これまでFacebookに限定されていた。Social Media Todayおよび複数の海外メディアの報道によると、この仕組みが2026年9月29日からInstagramにも拡大される。
これにより、クリエイターのライブ配信をブランドがスポンサーし、フォロワー以外のユーザーにも配信を届けることが可能になる。これまでライブコマースやライブQ&Aといった企画は基本的に「自社アカウントのフォロワー」向けの施策だったが、パートナーシップ広告化することで新規のリーチ獲得手段として使える点が大きな違いだ。
Creator Marketing Hubの主な刷新点と、9月29日開始のライブ動画広告拡大のポイント
【企業アカウント運用者向け】発見フィルターとライブ動画広告にどう備えるか
ここからは実務担当者向けに、今回の刷新をどう活用するかを整理する。
発見フィルターの効率的な使い方。目的ベースの推奨機能が追加された以上、検索の起点を「フォロワー数」から「キャンペーンの目的」に切り替えるのが有効だ。例えば新規顧客獲得が目的なら、過去にアフィリエイト実績のあるクリエイターを予測検索フィルターで絞り込み、その中でエンゲージメント率やブランド適合度を確認する、という順序に変える。属性フィルターだけで絞り込むと候補が数百件単位で残ってしまいがちだが、目的ベースのフィルターを先にかけることで、比較検討にかける時間そのものを圧縮できる。クリエイターの探し方そのものを見直したい場合は、インフルエンサーの探し方【企業向け】無料の検索方法とツール・選定基準で無料の検索手段や選定基準を確認しておくと、Meta公式ツールと外部ツールを併用する際の判断軸が整理しやすい。
9月29日のライブ動画広告に向けた準備。ライブ配信をパートナーシップ広告として出稿するには、事前にクリエイター側の許諾設定が必要になる。すでに関係のあるクリエイターがいる場合は、9月29日を待たずに、まずコンテンツ単位の利用許諾と期限設定をハブ上で確認しておきたい。許諾の取得や広告化の手続きが開始日当日に集中すると、審査や設定の待ち時間がボトルネックになりやすいためだ。また、ライブ配信は静止画や通常の動画広告と異なり、視聴者のリアルタイムな反応(コメント数、同時視聴者数、配信中の商品タップ率など)が成果の先行指標になる。既存のKPI設計にライブ配信特有の指標を追加しておかないと、効果検証の段階で比較材料が不足する。媒体別の指標設計を見直す際は、SNSのKPI設計|媒体別の指標一覧とレポートの作り方を参考に、ライブ配信用の指標を既存のレポート項目に組み込んでおくと後工程がスムーズになる。
社内承認フローの見直し。ワンクリック広告化によって現場担当者の作業自体は速くなる一方、承認プロセスが追いついていないと「作成はできるが出稿できない」状態が起きやすい。著作権保護コンテンツの除去や許諾期限の管理はハブ側で自動化される部分が増えるが、予算枠の確保やクリエイター選定の最終承認といった社内プロセスは従来どおり人が判断する領域として残る。ツールの高速化にあわせて、承認フローのリードタイムも今のうちに短縮しておく価値がある。
Creator Marketing Hubの主な変更点
| 項目 | 刷新前 | 刷新後(報道ベース) |
|---|---|---|
| クリエイター発見 | Creator Marketplace(別画面) | Creator Marketing Hub内で発見から広告化まで一体化 |
| 検索フィルター | 属性ベース中心 | 目的ベースの推奨、アフィリエイト予測検索を追加 |
| 対象クリエイター | Instagram中心 | Facebookクリエイターも追加 |
| 広告化の手順 | 複数画面をまたぐ手続き | ワンクリックでの広告作成 |
| コンテンツ許諾 | 手動管理が中心 | コンテンツ単位の許諾・期限設定機能 |
| ライブ配信の広告化 | Facebookのみ | 9月29日からInstagramにも拡大予定 |
よくある質問
Q. Creator Marketing HubはInstagramのアカウントでないと使えませんか。
報道によれば、今回の刷新でFacebookのクリエイターもハブの検索対象に加わったとされている。そのため、Instagram単体ではなくFacebookページも含めたクリエイター発見・広告化の窓口として使える見込みだ。ただし実際の表示や利用可否は自社のBusiness Suite上のアカウント種別によって異なる可能性があるため、まずは自社アカウントでハブが表示されるか確認するのが確実だ。
Q. 9月29日のライブ動画広告は日本のアカウントでもすぐ使えますか。
現時点で確認できている報道は「9月29日からInstagramに拡大」という開始日の情報にとどまり、国・地域ごとの段階的な展開スケジュールまでは明らかにされていない。過去のMeta機能でも地域限定での先行展開が行われることがあるため、自社アカウントのBusiness Suiteやパートナーシップ広告の設定画面に該当機能が表示されるかを、9月29日以降にあらためて確認することをおすすめする。
Q. パートナーシップ広告と通常のインフルエンサー案件(PR投稿)は何が違いますか。
パートナーシップ広告は、クリエイターが投稿したオーガニックコンテンツを、クリエイター本人の許諾のもとでブランドが広告予算を使って配信する仕組みだ。通常のPR投稿がクリエイターのフォロワーにしか届かないのに対し、パートナーシップ広告化するとブランドの広告アカウントを通じてフォロワー外のユーザーにもリーチできる。Creator Marketing Hubは、この「投稿を広告に変える」手続きをクリエイターの発見と同じ画面で完結させるためのツールという位置づけになる。
まとめ
Metaは2026年9月15日、クリエイター発見ツールと広告化ツールを統合した「Creator Marketing Hub」の刷新を発表した。目的ベースの発見フィルター、コンテンツ単位の許諾期限管理、ワンクリックでの広告作成、Facebookクリエイターの追加などが主な変更点で、9月29日からはInstagramでもライブ動画配信をパートナーシップ広告として配信できるようになる予定だ。企業アカウント運用者にとっては、クリエイター検索の起点を目的ベースに切り替えること、ライブ動画広告の開始前に既存クリエイターとの許諾設定を終えておくこと、そしてワンクリック化にあわせて社内承認フローの速度を見直すことが当面の実務対応になる。まずは自社のBusiness Suite上でCreator Marketing Hubの表示状況を確認するところから始めたい。
出典
- Social Media Today「Meta adds more creator partnership tools」(2026年9月15日)https://www.socialmediatoday.com/news/meta-adds-more-creator-partnership-tools/830480/
- MediaPost(MediaDailyNews)「Meta Launches Creator Marketing Hub, Live Video Ads」(2026年9月16日)https://www.mediapost.com/publications/article/418022/meta-launches-creator-marketing-hub-live-video-ad.html
- Shopifreaks「Meta launches its Creator Marketing Hub globally and brings live video partnership ads to Instagram starting September 29」(2026年9月16日)https://www.shopifreaks.com/meta-launches-its-creator-marketing-hub-globally-and-brings-live-video-partnership-ads-to-instagram-starting-september-29/
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