Threads、引用投稿を写真・動画に重ねて見せる機能をテスト。ビジュアル重視の新しい引用の形と企業アカウントでの使い方

misosil編集部

Threadsは2026年10月1日、引用投稿を写真や動画の上に重ねて見せる新しい形式のテストを始めたと発表した。対象は一部のクリエイターに限られている。

Threadsの引用投稿は、これまでテキストが中心だった。誰かの投稿を引用して意見を添える、という使い方が主流で、見た目は文字のやり取りが並ぶだけだった。今回のテストは、その引用を「画像のレイアウトの一部」として扱えるようにするものだ。

この記事では、Social Media Today(2026年10月)などの報道で伝えられている内容を整理し、企業アカウントの運用担当者が今のうちに備えておけることを考える。

新しい引用投稿の仕組み

報道によると、テストに参加しているユーザーが画像を投稿する編集画面を開くと、編集メニューに新しい「Quote」の選択肢が表示される。これを選ぶと、投稿を写真や動画の上に重ねて表示できる。

Threadsの新しい引用投稿で、いいねした投稿・保存した投稿・自分の投稿を写真や動画に重ねる流れと、ステッカー・レイアウト・9分割の追加機能を示した図解

新しい引用投稿は「素材の選択」「重ねる」「装飾する」の流れで使う

重ねられる投稿は、自分がいいねした投稿、保存した投稿、自分自身の投稿の3種類だ。引用したい投稿をその場で検索するのではなく、普段の行動で集めた投稿から選ぶ形になっている。

あわせて、次のような編集の選択肢も報じられている。

  • ステッカーの追加
  • レイアウトの試験的な変更
  • 1枚の写真を最大9つの区画に分割する機能

9分割は、1枚の写真を複数の区画に分けて見せるもので、カルーセルのような表現や、グリッドを意識した見せ方に使えそうだ。ただし、どの区画に何を置けるのか、分割した写真を何枚の投稿として扱うのかといった細かい仕様は、報道では説明されていない。

Threadsはこの発表で、「これは、自分を表現するための多くのクリエイティブツールを作っていく、その土台にすぎない」という趣旨の説明をしている。今後も同じ方向の機能が続くことを示唆している。

提供範囲と現在の状況

現時点では、テストに参加している一部のクリエイターだけが利用できる。一般のアカウントや企業アカウントに広がる時期、日本で使えるようになるかどうかは、公式には示されていない。

過去のThreadsの新機能は、一部のユーザーでのテストを経て、数週間から数か月かけて展開されてきた。たとえば、ポッドキャスト向けの機能は字幕のテストから始まり、のちにエピソードカードや視聴分析を含む本格展開に進んでいる。その経緯は、Threadsがポッドキャスト機能を本格展開|エピソードカード・字幕・視聴分析を追加【2026年9月】で詳しく扱っている。今回の引用投稿も、同じ段階をたどる可能性がある。ただし、テストが広がる保証はなく、仕様が変わる可能性もある。

「見せる引用」が意味すること

引用の主役が、文字から画像へ移る

これまでの引用投稿は、元の投稿の文面が主役で、画像が目立つ場面は多くなかった。今回の形式では、画像や動画が背景にあり、引用された投稿はその上に載る要素になる。

文字のやり取りを、画像の中で完結する「見せ物」に変えられるということだ。たとえば、顧客の好意的な投稿を、商品の写真の上に重ねて、そのまま一枚の画像として投稿する、といった使い方が想定できる。

Threadsは「会話の場」から「発信の場」に近づく

2026年6月に月間のアクティブ利用者が5億人を超えたThreadsは、日本でも利用時間が伸びていると、Metaが示している。会話の比重が大きいことが特徴で、返信がインプレッションの半分を占めるとも説明されている。こうした特徴は、Threadsとは?使い方・企業アカウントの始め方と2026年の活用ポイントでまとめている。

そのThreadsに、ビジュアルを作り込む機能が増えていくと、会話だけの場所から、画像や動画で発信する場所へ、性格が少しずつ変わっていく可能性がある。企業にとっては、Instagramで作っている素材を、Threads向けに作り直すことなく活用できる場面が増えるかもしれない。

他のSNSの似た機能との違い

動画や画像に他の要素を重ねる機能は、他のSNSにもある。

Xは、2026年7月にiOS版アプリへ新しい動画エディタを搭載し、その後、テキストと絵文字のオーバーレイを加えた。この流れは、X、iOS版動画エディタにテキスト・絵文字オーバーレイ機能を追加。グリーンスクリーン・多言語字幕に続く拡張の中身と企業アカウントの使い方で整理している。Xの機能は、撮影した動画の上に自分で入力した文字や絵文字を載せるものだ。

Threadsの新しい引用投稿は、載せる対象が「他の投稿」である点が違う。自分で書いた文字ではなく、すでにThreads上に存在する投稿を、素材として使う。

観点Xの動画オーバーレイThreadsの新しい引用投稿
重ねるもの自分で入力した文字・絵文字いいね・保存・自分のThreads投稿
土台撮影した動画写真や動画
現在の提供状況iOS版の動画エディタ一部のクリエイターのテスト
狙い動画をX内で完結して作る投稿を素材として、視覚的に再利用する

引用元の投稿者や、その投稿の元の文脈が、画像に残る点も異なる。この点は、後述する運用上の注意に関わってくる。

企業アカウント向け:今のうちに決めておきたい運用ルール

テストが広がったとき、すぐに使い始められるように、次の4点を決めておくとよい。

他人の投稿を重ねてよい範囲

いいねや保存をした他者の投稿が素材になるため、取引先、業界の専門家、一般の顧客など、誰の投稿なら載せてよいかを決める。一般ユーザーの投稿を載せる場合は、本人の許可を取るのか、投稿のスクリーンショットではなく仕組みの上での引用に限るのか、といった線引きが必要になる。

ブランドの見た目のガイドライン

ステッカーやレイアウトを自由に選べると、担当者によって見た目がばらつきやすい。使ってよいステッカーの種類や、画像の余白、文字の大きさなど、最小限のルールを作っておく。ブランドカラーやロゴの置き場所が決まっていれば、その枠に収まる使い方を前提にできる。

引用された元の投稿が消えたときの扱い

重ねた投稿が、あとから元の投稿者に削除されたり、非公開にされたりしたときに、画像の中の表示がどうなるかは、現時点では明らかになっていない。自社の公式な発信に使う場合は、元の投稿が消えても意味が通る内容にしておく、といった配慮が要る。

炎上時の対応

他人の投稿を使った発信は、元の投稿者や周囲の反応によって、思わぬ形で話題になる可能性がある。引用の内容に誤解を招く表現がないか、投稿前に複数人で目を通す体制を、あらかじめ作っておく。炎上時の初動と役割分担も、あらかじめ決めておくと動きやすい。

試すときの進め方

テストの対象になったら、いきなり公式の発信に使うのではなく、次の順で試すのが安全だ。

  1. 自社の投稿だけを素材にして、見た目と操作を確かめる
  2. 社内の担当者どうしで、他人の投稿を重ねたときの表示と、元の投稿への遷移を確かめる
  3. 公式のアカウントで、自社の投稿を使った告知を1本出す
  4. 反応を見たうえで、他者の投稿を素材にした発信に進むかを決める

どの段階でも、画像と動画の見え方は、スマートフォンの機種や画面サイズで変わる可能性がある。複数の端末で見え方を確かめておくとよい。

よくある質問

Q. 企業アカウントでも使えますか?

A. 現時点では、一部のクリエイターのテストに限られていて、企業アカウントが対象かどうかは示されていない。自社アカウントの画像投稿の編集画面に「Quote」の選択肢が出るかどうかで確かめる。

Q. 日本でも使えるようになりますか?

A. 日本での提供予定は、公式には示されていない。Threadsの新機能は、一部のユーザーでのテストを経て広がることが多いが、今回も同じ経路をたどるかどうかは分からない。

Q. 他人の投稿を重ねるときに、許可は必要ですか?

A. 仕組みの上では、いいねや保存をした投稿を素材にできる。ただ、企業の公式アカウントとして載せてよいかは別の問題だ。載せる範囲と、本人への連絡のルールを、社内で決めておくことを勧める。

Q. Instagramのストーリーズとは関係がありますか?

A. 関係している。Instagramのストーリーズに、いいねや保存をしたThreadsの投稿を載せるステッカーが加わったと報じられていて、仕組みが似ているとされている。ストーリーズ側の機能は、Instagram、Threadsの投稿をストーリーズに載せられる新ステッカーを追加。企業アカウントでの使い方と注意点で詳しく扱っている。

まとめ

  • Threadsは2026年10月1日、引用投稿を写真や動画に重ねて見せる新しい形式のテストを、一部のクリエイターで始めた
  • 重ねられるのは、いいねした投稿、保存した投稿、自分の投稿。ステッカー、レイアウトの変更、最大9分割といった編集機能も試されている
  • Threadsは、この機能を「より多くのクリエイティブツールの土台」と位置づけている
  • 企業アカウントは、他人の投稿を重ねてよい範囲、ブランドの見た目のルール、元の投稿が消えたときの扱い、炎上時の対応を、先に決めておく
  • 提供範囲、日本での展開、法人アカウントでの利用可否は示されていないため、自社アカウントの画面で確かめる

出典

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