X(Twitter)分析ツール比較2026|無料・有料の選び方とAPI従量課金の影響

tanakamiho

「twitter 分析ツール」で検索すると、10〜20個のツールを並べた比較記事が並ぶ。ただ、そこに載っているツールの一部はすでに終了しているか、無料で使えた機能が有料に移っている。2023年以降のX社のAPI方針の変更が、この分野を何度も作り替えてきたからだ。

そして2026年2月、X APIは月額サブスクリプションを廃止して従量課金制に移行した。これはツール選びの前提そのものを変える出来事で、各ツールの料金プランの形にもはっきり表れている。

この記事では、2026年9月時点で実際に使えるツールを目的別に整理したうえで、**「なぜ競合分析だけ急に高いプランに置かれているのか」**をAPIの単価から説明する。ツール一覧を眺めても決めきれなかった人向けの内容だ。

X(Twitter)分析ツールとは?公式のXアナリティクスでできること・できないこと

X分析ツールとは、自社アカウントのポストの反応、フォロワーの増減や属性、競合アカウントの動き、特定キーワードの話題量などを可視化するツールの総称だ。特定の製品を指す言葉ではなく、公式の「Xアナリティクス」もこの中に含まれる。

まず押さえておきたいのは、公式のXアナリティクスで足りる範囲が意外と広いということだ。自分のポストのインプレッション、エンゲージメント、プロフィールへの遷移といった基本指標は公式で確認できる。

一方で、公式だけでは埋まらないのが次の3点になる。

  • データの保持期間。過去に遡って推移を追おうとすると、公式の画面では期間に制約がある
  • 競合アカウントの分析。他社のアカウントを継続的に追う機能は公式には無い
  • レポートの自動化。CSVやスライド形式での定期出力、複数アカウントの横断集計は公式の想定外

つまり有料ツールを検討する理由は「公式で見られない数字がある」ことではなく、**「遡れない・他社が見られない・自動化できない」**の3つに集約される。ここを先に切り分けておくと、必要以上に高いプランを選ばずに済む。

選ぶ前に整理したい「目的別3タイプ」

X分析ツールは、目的によって向き不向きがはっきり分かれる。まず自社がどのタイプを必要としているかを決めるほうが早い。

タイプこんな課題に向く代表的な確認項目
自社アカウント分析型毎週の数字を手作業で集計している、投稿の良し悪しを判断できない分析可能期間、CSV出力、レポート自動作成、複数アカウント管理
競合・ベンチマーク分析型競合の伸びている投稿を追いきれていない競合登録数の上限、更新頻度、どのプランから使えるか
ソーシャルリスニング型自社名やサービス名の言及・口コミを把握したい全量取得かサンプリングか、遡及できる期間、拡散したユーザーを特定できるか

X分析ツールを自社アカウント分析型・競合ベンチマーク型・ソーシャルリスニング型の3タイプに整理した図解 目的別3タイプ。必要なタイプが決まると、見るべき料金プランの階層も自動的に決まる

多くの企業が最初に必要とするのは1つ目の自社アカウント分析型だ。2つ目・3つ目は「やったほうがいい」ことではあるが、後述するとおりコスト構造が大きく違う。

【2026年の前提】X APIが従量課金制に移行した

2026年2月、X APIの料金体系が月額サブスクリプションから**従量課金(pay-per-usage)**へ切り替わった。クレジットを前払いで購入し、APIリクエストごとに消費する方式だ。公式ドキュメントに掲載されている読み取りの単価は次のとおり。

読み取り対象単価(1件あたり)
Posts: Read(ポスト)0.005ドル
User: Read(ユーザー)0.010ドル
Following/Followers: Read(フォロー・フォロワー)0.010ドル
Like: Read(いいね)0.001ドル
Owned Reads(自分のアプリで自分のデータを読む)0.001ドル

従量課金プランには月間300万ポスト読み取りの上限があり、それを超える場合はエンタープライズ契約が必要になる。同一リソースへの請求は24時間(UTC)単位で重複排除される。

ここで注目したいのが最後のOwned Readsだ。自分のアプリから自分自身のポスト・フォロワー・いいねなどを読む場合に限って、単価が0.001ドルに下がる。通常のポスト読み取りの5分の1、フォロワー読み取りと比べれば10分の1になる。

【独自視点】APIの単価が、そのままツールの料金プランの形になっている

この単価差が何を意味するか。自社アカウントの分析は安く提供でき、競合や第三者の分析は高くつく、ということだ。

実際に国内で広く使われているSocialDogの料金プランを見ると、この構造がそのまま反映されている(2026年9月時点・税抜)。

プラン月額分析可能期間競合分析
Free無料最大2週間不可
Personal1,480円最大1年間不可
Professional4,980円最大2年間不可
Business19,800円無制限利用可
Enterprise要問い合わせ無制限利用可

自社アカウントの基本的な分析は1,480円から使えるのに、競合分析だけが19,800円のBusinessプランまで上がらないと開放されない。機能の複雑さの違いというより、原価の違いがそのまま段差になっていると考えたほうが理解しやすい。

この見方ができると、ツール選びの判断が変わってくる。

  • 自社アカウントの改善が目的なら、下位プランで十分なことが多い。上位プランの機能一覧に引きずられて過剰投資しない
  • 競合分析が本当に必要かを先に決める。「あったら見る」程度なら、月1〜2回の手作業での確認で足りる場合がある
  • 逆に競合分析やリスニングが事業上の必須要件なら、そこは安くならない領域だと理解して予算を確保する

「競合分析が上位プランなのは機能をケチっているから」ではなく、構造的にそうなっている。ここを取り違えると、値切り交渉や乗り換え検討が空回りする。

主要ツールの位置づけ【2026年9月時点】

ツール軸となるタイプ料金の目安備考
Xアナリティクス(X社・公式)自社アカウント分析無料(一部機能はX Premium)まずここで足りるかを確認する
SocialDog(株式会社SocialDog)自社アカウント分析+運用効率化Free/1,480円〜19,800円/Enterprise要問い合わせ7日間の無料トライアルあり。競合分析はBusiness以上
Tofu Analytics(misosil)リスニング+競合・自社分析要問い合わせ(条件付き無料トライアルあり)X以外にInstagram・TikTok・YouTube等も対応

料金は変動するため、契約前に必ず各社の公式ページで最新の条件を確認してほしい。とくに海外ツールは為替と価格改定の影響を受けやすい。

Xアナリティクス(公式)

自社ポストのインプレッション数、フォロワー数の増減、エンゲージメント率の変化などを確認できる公式機能。標準で確認できるのは過去28日間が目安で、詳細な分析機能の一部はX Premium(有料プラン)の加入者向けとなっている。まずここで足りるかどうかを判断してから有料ツールを検討するのが順序として正しい。詳しい使い方はTwitterアナリティクスの使い方と広告運用における活用法で解説している。

SocialDog

国内で導入実績の多いXマーケティングツール。予約投稿・フォロワー管理・分析を1つの画面で扱える。無料プランでも基本指標は見られるが、分析可能期間が最大2週間に制限される点は事前に把握しておきたい。月次で振り返る運用をするなら、少なくともPersonal以上が前提になる。

複数SNSを横断する運用管理ツール(Hootsuite・Buffer など)

X単体ではなく複数のSNSをまとめて管理・分析したい場合の選択肢。投稿予約とダッシュボードでのモニタリングを主軸にしており、分析の深さより横断性を重視する構成になっている。いずれも海外製で、対応SNSの範囲や料金の改定が国内ツールより頻繁なため、契約前に最新の対応状況を公式サイトで確認してほしい。

Tofu Analytics

自社が提供しているツール。ハッシュタグやキーワードを指定したUGCの収集、拡散したインフルエンサーの特定など、リスニング寄りの用途に向く。X単体ではなく複数SNSを横断して見たい場合の選択肢になる。X分析でできることの詳細はTofu Analyticsの「X(Twitter)分析」ページにまとめている。

すでに終了したツールを使っていた場合

2023年以降のAPI方針の変更で、無料で提供されていた分析ツールの多くが終了した。whotwi、Tweriod、ついっぷるトレンド、ひすったーなどが該当する。当時のブックマークをたどっても、もう同じ機能は使えない。

移行先を探している場合は、次の記事で終了したサービスと現在使える代替を整理している。

注意したいのは、「無料で全量が見られた時代」はAPIが無料だったから成立していたという点だ。従量課金に移行した現在、同等の機能を無料で提供し続けられるサービスは原理的に成り立ちにくい。無料の代替を探し続けるより、必要な範囲を絞って有料プランを選ぶほうが結果的に早い。

導入前に確認したい4つのこと

  1. 分析可能期間。無料プランや下位プランでは数週間しか遡れないことがある。月次・四半期で振り返るなら期間が要件になる
  2. 競合分析がどのプランからか。前述のとおりここに大きな段差がある
  3. CSVやレポートの出力形式。社内共有の手間はここで決まる
  4. 無料トライアルの期間と条件。SocialDogは7日間。実運用の1サイクルを回せる長さかを確認する

他のSNSもあわせて見る場合

X単体ではなく複数SNSを運用しているなら、媒体ごとに別ツールを入れるより横断できるものを選ぶほうが管理が楽になる。媒体別の比較は次の記事にまとめている。

指標の設計そのものから見直したい場合はSNSのKPI設計|媒体別の指標一覧とレポートの作り方、フォロワーの中身を掘りたい場合はフォロワー分析のやり方|属性・アクティブ率・フォロワー推移の見方も参考にしてほしい。

複数のSNSをまとめて分析したい場合は、SNS分析・ソーシャルリスニングツール比較|全量データと公式APIで選ぶ【2026年版】で主要ツールを比較している。ThreadsについてはThreads分析ツール比較|公式インサイトの限界と企業アカウント運用者向けの選び方で選び方を整理している。

まとめ

X分析ツールは「何個載っているか」で選ぶものではない。2026年時点では次の順で決めるのが早い。

  1. 公式のXアナリティクスで足りない点を「遡れない・他社が見られない・自動化できない」の3つで特定する
  2. 目的別3タイプのどれが必要かを決める
  3. 自社アカウント分析だけなら下位プラン、競合分析やリスニングが必須ならそこは安くならない領域と割り切って予算を取る

APIが従量課金になったことで、料金プランの段差には理由がある。その理由を理解して選べば、過剰な契約も、逆に必要な投資の先送りも避けられる。

出典

関連する記事

まずは無料で相談