X Moneyとは?クリエイター報酬の支払い方法がStripeから変更
Xが米国クリエイター向け報酬の支払い方法をStripeから自社決済「X Money」へ移行しました。変更の内容と、日本のアカウントへの影響を解説します。
Xが2026年9月2日、クリエイター向け広告収益分配プログラムの報酬支払い方法を、これまでのStripe経由から自社の決済サービス「X Money」へ切り替えたと報じられた。対象は米国のクリエイターで、TechCrunchなど複数の海外メディアが報じている。本記事では、X Moneyの仕組みと今回の変更内容、そして日本のアカウントへの影響を整理する。Xの収益化プログラム自体の仕組みについては「X(Twitter)収益化の条件と仕組み【2026年版】Original Content Rewardsで何が変わったか」で詳しく紹介しているが、支払い方法に関する部分は今回の変更で古くなっているため、あわせて本記事を参照してほしい。
X Moneyとは何か
X MoneyはXとVisaの提携により2025年に構想が発表されていた、X自身が提供する決済・銀行サービスだ。当時の構想発表については「XがVisaと提携!金融決済サービス「X Money」を提供開始へ」でも紹介している。2026年9月時点の実際のサービスでは、銀行カード(キャッシュバック機能付き)、即時送金、ATM手数料無料での引き出しなどの機能を備え、預金は提携銀行(Cross River Bank)を通じてFDIC(米連邦預金保険公社)の保護対象になるとされている。これまでXの決済関連機能は外部の決済事業者に依存してきたが、X Moneyはその依存から脱却し、決済インフラを自社で持つための取り組みという位置づけだ。今回のクリエイター報酬の支払い方法変更は、2025年に発表されていた構想が実際の機能として具体化した動きの一つと言える。
何が変わったのか
これまで、Xの広告収益分配プログラムに参加するクリエイターへの報酬は、Stripeを経由して2週間ごとに支払われていた。最低支払額は30ドルで、銀行口座への着金までに3〜10営業日かかる仕組みだった。
2026年8月からX Moneyでの受け取りがオプションとして提供され始め、2026年9月2日、米国クリエイターについては支払い方法がX Moneyへ切り替わった。X Moneyでの受け取りに変更されたことで、最低支払額の制限がなくなり、着金までの待ち時間もなく即時に受け取れるようになったと報じられている。
すでにX Moneyのアカウントを持っているクリエイターは、特に何もしなくても次回以降の報酬が自動的にX Money口座へ振り込まれる。X Moneyのアカウントをまだ持っていないクリエイターは、報酬を受け取るために新たにX Moneyのアカウントを開設する必要があるとされている。なお、支払いに伴う税務処理は米国の制度に基づくもので、個人には1099-NEC、LLC(有限責任会社)にはW-9の提出が求められる仕組みも報じられており、いずれも米国の税制に紐づいた対応になる。
日本のアカウントへの影響
今回の変更は、あくまで米国のクリエイターを対象にしたものだ。日本を含む米国外のクリエイターについては、Xのスポークスパーソンが「引き続きStripeでの支払いを継続する」とコメントしたと報じられており、当面は支払い方法に変更はない。したがって、日本のアカウント運用担当者が今すぐ何か対応する必要は生じていない。
もっとも、Xはこれまでも新機能を米国から先行導入し、数か月から数年かけて日本を含む他地域へ展開するパターンを繰り返してきた。今回のX Moneyについても、将来的に日本のクリエイターへ同様の仕組みが導入される可能性は否定できない。その場合、米国クリエイターが直面したような「X Moneyアカウントの開設」という新たな手続きが、日本のアカウント運用にも発生する可能性がある点は、今のうちに認識しておきたい。
日本を含む米国外のクリエイターは引き続きStripeでの支払いを継続
企業のSNS運用担当者が押さえておきたいポイント
自社アカウントがXの収益化プログラムに参加している、あるいは検討している場合は、次の点を押さえておくとよい。
まず、現時点で日本のアカウントの支払い方法(Stripe)に変更はないため、既存の運用フローを変える必要はない。次に、X Moneyへの移行が米国で先行して実施された背景には、Xが決済インフラを自社で保有する方向に舵を切っているという流れがある。この流れ自体は「イーロン・マスクが将来のX開発の概要を説明!今後のマーケティングへの影響は?」で紹介しているXの「エブリシングアプリ」構想とも重なる部分があり、決済機能の強化は今後もXのアップデートの主要なテーマであり続けると見ておいた方がよい。実際、Xのショッピング機能に関する記事「Twitterが一部のビジネスアカウントでショッピング機能のテストを開始」でも、X Moneyが決済手段の一つとしてすでに言及されている。
こうした背景を踏まえると、日本のアカウント運用担当者としては、今すぐの対応は不要としつつも、Xの収益化・決済まわりのアップデートは継続的にウォッチしておく価値があるテーマだと言える。
よくある質問
Q. X Moneyへの切り替えは日本のクリエイターにも適用されますか? A. 現時点(2026年9月)では適用されていない。日本を含む米国外のクリエイターは引き続きStripe経由での支払いが継続されるとXのスポークスパーソンがコメントしている。
Q. X Moneyのアカウントは誰でも開設できますか? A. 本記事の執筆時点では、X Moneyは米国向けのサービスとして提供されている。日本での提供有無や条件については、Xの公式な案内を確認する必要がある。
Q. 既存のStripe経由の報酬はどうなりますか? A. 米国クリエイターについては、既存のX Moneyアカウント保有者は自動的に次回以降の支払いがX Money経由に切り替わるとされている。日本を含む米国外のクリエイターは今回の変更の対象外で、Stripe経由の支払いが継続される。
まとめ
Xは2026年9月2日、米国クリエイター向けの報酬支払い方法をStripeから自社決済サービス「X Money」へ切り替えたと報じられた。最低支払額の撤廃や即時受け取りが可能になる一方、対象はあくまで米国クリエイターで、日本を含む米国外のクリエイターは当面Stripeでの支払いが継続される。もっとも、Xが決済インフラの自社化を進める流れの一環と見ることができ、日本への展開が将来的に行われる可能性も踏まえて、収益化・決済まわりのアップデートは引き続き注視しておきたい。
出典
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