X、他人の写真をクレジット付きで再共有できる「Post photo」を開始。Original Content Rewardsとの関係と企業アカウントの注意点

misosil編集部

Xは2026年10月27日ごろ、他のユーザーが投稿した写真を、元の投稿者へのクレジット付きで再共有できる機能の提供を始めた。クリエイター向けの公式アカウント(@XCreators)は「Photo resharing is live(写真の再共有を開始した)」と告知し、共有したい写真を長押しして「Post photo」をタップする操作を案内している。元の投稿者がクレジットされ、共有した側と元の投稿者の双方がOriginal Content Rewardsから収益を得られる、というのが告知の骨子だ。

一見すると、他人の写真を使って報酬が得られるように読める。しかし、Xの収益化プログラムは「オリジナルであること」を条件にしており、他者のコンテンツのコピーは対象外とされてきた。今回の機能とこのルールがどう両立するのかは、告知だけでは読み取れない。

本記事では、公式の告知と報道で明らかになっている仕組み、まだ説明されていない点、そして企業アカウントの運用者が自社の写真と他者の写真の両面で見直しておきたいことを整理する。

何が始まったのか:2026年10月27日の「写真の再共有」

Social Media Todayは2026年10月28日、この機能を「リポストされた画像のクレジットを共有できる」ものとして報じた。同媒体によれば、発表元は@XCreatorsの投稿である。報道で判明している点は次のとおり。

  • 他のアカウントが投稿した写真を、元の投稿者へのクレジット付きで再投稿できる
  • 操作は、写真を長押しして「Post photo」をタップする
  • 再共有された画像には、元の投稿者のプロフィールへのリンクが重ねて表示される
  • 再共有された画像への後続のエンゲージメントは、共有したアカウントと元の投稿者の両方のインプレッションに加算される
  • 以前は、重複した画像を含む投稿のインプレッションはOriginal Content Rewardsの対象外だったが、今回の変更で双方が報酬を得られるようになる

Creators Toolboxは、機能が有効になったのを2026年10月27日と伝えている。告知画面には「The original author will be credited(元の投稿者がクレジットされる)」「You both earn from Original Content Rewards(双方がOriginal Content Rewardsから収益を得る)」という趣旨の文言が表示されるという。

Xの写真再共有機能について、操作手順・表示される内容・報酬の扱い・公式発表で未説明の点の4項目で整理した図解 Post photoの仕組みと、公式発表で未説明の点の整理

使い方と表示の仕組み

操作そのものは単純だ。再共有したい写真を長押しし、表示されるメニューから「Post photo」を選ぶ。通常のリポストや引用と異なるのは、画像を投稿として出しつつ、元の投稿者へのリンクを画像上に重ねる点にある。

項目通常のリポストPost photo
投稿の形元の投稿がそのまま流れる写真を投稿として出し、元の投稿者へのリンクを画像に重ねる
元の投稿者の表示元の投稿として表示される画像上のクレジットとして表示される
インプレッションの扱い元の投稿に集約される共有した側と元の投稿者の双方に加算されると報じられている
報酬プログラムでの扱い公式発表では言及なし双方がOriginal Content Rewardsの対象になると告知されている

通常のリポストは元の投稿のまま流れる。Post photoは、写真を投稿として出しながら、画像上のリンクで元の投稿者を示す点が違う。

公式発表で明らかになっていないこと

告知は短く、運用上の判断に必要な情報の多くが示されていない。Creators Toolboxの記事にも、次の点の記載はない。

  • 動画やGIFにも対応するのか
  • 対象となる地域や国
  • 長押しの操作が使えるアプリや環境
  • 機能を無効にできるのか
  • 元の投稿者への通知の有無、再共有を許可・拒否する選択権
  • 双方のアカウントがOriginal Content Rewardsに参加済みである必要があるのか

特に、元の投稿者が再共有を拒否できるのか、通知を受け取れるのかは、企業アカウントにとって重要だ。自社が撮影した商品写真が第三者に再共有されたとき、それを知る手段があるのかどうかで、ブランド管理の運用が変わる。これらは、Xが詳細なヘルプを公開するまで判断できない。

Original Content Rewardsとの関係:「コピーは対象外」との整合

Original Content Rewardsは、2026年9月8日に始まったXの収益化プログラムだ。Impress Watchによれば、他のクリエイターからコピーした、または実質的に重複したコンテンツは対象から除外される。参加にはX Premiumへの加入、検証済みフォロワー500人以上、直近90日で検証済みユーザーからの50万インプレッション以上といった条件がある。プログラムの条件と「オリジナル」の定義は、X、収益シェアプログラムを廃止し「Original Content Rewards」へ全面移行。参加条件と対象コンテンツの基準を解説で詳しく整理している。

Creators Toolboxは、Xのヘルプページが10月19日時点で、画像を丸ごとコピーまたは再アップロードしたものはオリジナルと見なさないと記していたこと、そしてPost photoの発表には新しいヘルプ記事へのリンクがないことを指摘している。つまり、再共有された写真が報酬の対象になるという告知と、コピーは対象外という既存のルールが、どう整合するのかは公式に説明されていない。

考えられる読み方は二つある。一つは、Post photoで出した投稿は「コピー」ではなく、クレジットを伴う専用の形式として別扱いになるというもの。もう一つは、既存のルールが更新される途中で、詳細は後からヘルプに反映されるというものだ。どちらが正しいのかは、現時点で公式には示されていない。企業アカウントは、いずれの場合にも対応できるように、運用方針を決めておく必要がある。

なお、Social Media Todayは、このプログラムの規模自体が限られているとも指摘している。同媒体は、Xの有料利用者が1%未満だと記している。報酬の対象になるアカウントは、利用者全体から見れば限られる。

【企業アカウント運用者向け】見直しておきたい5つの視点

ここからは、公式発表で示されていない部分を含むため、運用上の考え方として読んでほしい。

1. 自社の写真が再共有される側として

商品写真、イベントの写真、社員が撮影した現場の写真は、Post photoで第三者に再共有される可能性がある。クレジットとして自社アカウントへのリンクが画像上に出るため、うまく働けば、自社アカウントへの流入につながる。

一方で、再共有された投稿の文脈は、再共有した側が決める。画像に付けられるコメントが自社の意図と違えば、ブランドの印象に影響する。元の投稿者が拒否できるのかが示されていない以上、自社の写真は「第三者が自分の投稿として使える素材」になりうる、という前提で公開するかどうかを判断したい。

2. 他者の写真を再共有する側として

ファンの投稿写真や、取引先の写真を自社アカウントから共有する場合、クレジットが自動で付くのは運用上の利点だ。ただし、クレジットが表示されることと、権利者から利用の許諾を得ていることは別の話である。Xの告知は、後者について何も述べていない。

ファンの投稿写真を使うキャンペーンや、取引先・クリエイターの写真を紹介する場合は、従来どおり、事前に連絡して許諾を得る手順を残しておきたい。Post photoで簡単に再共有できることと、再共有してよいことは同じではない。許諾の記録は、投稿のURLと日付、連絡のやり取りを一覧表にまとめておくと、後から確認しやすい。

3. 報酬は「ついで」と考える

報酬の対象になるには、X Premiumへの加入と、フォロワー数・インプレッションの条件が必要だ。Premiumの料金とプランごとの違いは、Xプレミアムの料金プラン比較|Basic・Premium・Premium+の違いと企業アカウントの選び方【2026年8月時点】にまとめている。多くの企業アカウントは、収益化そのものを目的にXを運用していない。Post photoを使うために条件の達成を狙うのは、本末転倒になりやすい。

仮に条件を満たしていても、写真の再共有を増やす目的で他者の画像ばかりを出すと、アカウントの個性が薄れる。自社の一次情報(自社で撮った写真、自社のデータ)を中心に据え、他者の写真は補足として使う、という比率を意識したい。

4. 「元の作り手を優先する」流れの一部として読む

プラットフォーム各社は、再投稿より元の作り手を優先する方向に動いている。YouTubeはShortsのおすすめで、他者の動画の再アップロードのリーチを下げる更新を発表した。詳しくはYouTube Shortsが転載・再アップ動画のリーチを抑制へ。オリジナル優先の更新と企業アカウントの運用チェックリストで解説している。

Xの今回の機能は、再共有そのものを禁じるのではなく、元の作り手にもクレジットと報酬の機会を残す形に寄せたものと読める。他のプラットフォームでも、再投稿より元の作り手を重んじる動きが報じられている。企業アカウントが画像を他のSNSから持ってくる運用は、媒体を問わず見直しの時期に来ている。

5. 自社の写真が使われたことを把握する手段を決めておく

元の投稿者への通知の有無は、公式発表では明らかになっていない。通知が来るかどうかが分からない以上、自社の画像がどこで使われているかは、自分たちで把握する運用を用意しておくのが安全だ。

具体的には、自社アカウント名や商品名での検索を定期的に行う、画像上に自社のロゴやアカウント名を入れておく、再共有を見つけたときの対応(お礼を伝える、削除を依頼する、様子を見る)を事前に決めておく、といった方法がある。炎上や誤用につながる使われ方を見つけたときの初動は、事前に担当と手順を決めておくと動きやすい。

運用チェックリスト

次の項目は、公式の基準ではなく、公式発表の内容から組み立てた運用上の目安である。

  • 自社が公開する写真のうち、第三者に再共有されても問題ないものと、避けたいものを分けているか
  • 画像上にロゴやアカウント名を入れ、再共有されても出所が分かるようにしているか
  • 他者の写真を再共有する前に、権利者の許諾を取る手順があるか
  • Post photoで再共有した写真の許諾の記録を、投稿のURLと日付とあわせて残しているか
  • 自社の画像が再共有されたことを、検索で定期的に確認する担当が決まっているか
  • 報酬の条件を満たすことを目的に、運用の方針を変えていないか
  • Xが公式ヘルプを更新したときに、運用ルールを見直す担当が決まっているか

よくある質問

Q1. Post photoを使うと、誰でも報酬を得られるのか

得られない。告知では、双方がOriginal Content Rewardsから収益を得られるとされているが、プログラムの参加条件について、公式発表では変更が示されていない。これまでの条件では、X Premiumへの加入や、フォロワー数とインプレッションの条件を満たす必要がある。参加済みである必要があるかどうかは、公式発表では明らかになっていない。

Q2. 自社の写真を再共有されたくない場合、拒否できるのか

公式発表では、元の投稿者が再共有を拒否できるかどうかは示されていない。今後のヘルプの更新を待つ必要がある。

Q3. 動画やGIFにも使えるのか

告知は「写真」の再共有について述べている。動画やGIFへの対応は、公式発表では明らかになっていない。

Q4. 日本でも使えるのか

対象地域は、公式発表では示されていない。Original Content Rewardsについては、当ブログの解説記事で、X公式ヘルプ(2026年8月21日時点)に基づき日本を含む100カ国以上が対象と整理している。ただし、Post photoの提供地域は別に確認する必要がある。

Q5. 通常のリポストとどちらを使うべきか

元の投稿をそのまま広めたいなら、通常のリポストが従来どおり使える。Post photoは、写真を投稿として出しつつ、元の投稿者を明示したい場面に向く。どちらも、権利者の許諾が必要な利用かどうかは、別に判断する。

まとめ

Xは2026年10月27日ごろ、写真を長押しして「Post photo」をタップすると、元の投稿者のクレジット付きで再共有できる機能を始めた。再共有された画像のエンゲージメントは、共有した側と元の投稿者の両方のインプレッションに加算され、双方がOriginal Content Rewardsの対象になると告知されている。

一方で、元の投稿者が拒否できるか、通知が届くか、動画やGIFにも使えるか、対象地域はどこか、既存の「コピーは対象外」というルールとどう整合するのかは、公式発表では明らかになっていない。企業アカウントは、自社の写真が再共有される側と、他者の写真を再共有する側の両面から運用を見直し、クレジットの表示と権利者の許諾を別の手順として扱うことが重要だ。Xが詳細なヘルプを公開した時点で、あらためて内容を更新したい。

出典

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