Threads、最大50人に限定公開できる「Threads Friends」をテスト|企業アカウントの使い分けを解説

misosil編集部

Threadsが、投稿を最大50人に絞って共有できる「Threads Friends」のテストを始めた。Instagramの「親しい友達」に近い機能で、テスト対象国はアイルランド、イタリア、日本である。日本のユーザーと企業アカウントが、世界に先行して触れられる国に含まれている点が大きい。

この記事では、2026年10月29日付のSocial Media Todayの報道とInstagramヘルプセンターの案内ページをもとに、報じられている仕様を整理する。そのうえで、企業アカウントの運用担当者が「限定公開で何を出し分けるか」「どんなリスクに備えるか」を具体的に考える。

Threads Friendsとは何か

Threads Friendsは、Threads上でつながっている相手のなかから最大50人を選び、小さな共有グループを作る機能である。リストを作成したあと、投稿するときに「Threads Friendsだけに投稿する」という選び方ができる。公開の投稿はフォロワー全体やおすすめ欄に届くが、Friends向けの投稿は選んだ相手にだけ届く。

Social Media Todayによると、Threadsは公式のThreadsアカウントへの投稿でこのテストを告知した。同メディアは、この機能をInstagramの「親しい友達」に近いものと位置づけている。Instagramの親しい友達は、ストーリーズやリール、投稿を選んだ相手だけに見せる仕組みとして長く使われてきた。Threadsにも同様の考え方が持ち込まれた形である。

基本情報の整理

項目内容出典
機能名Threads FriendsSocial Media Today
上限人数最大50人Social Media Today
テスト国アイルランド、イタリア、日本Social Media Today
追加できる相手居住地を問わず追加できると報じられているSocial Media Today
告知の場Threads公式アカウントの投稿Social Media Today
公開日2026年10月29日(報道日)Social Media Today

Instagramヘルプセンターには「Threads Friendsリストの作成と管理方法」という案内ページが用意されている。ページの説明文は、リストの作成、メンバーの追加と削除、リストを変更したときに起こることを扱うと示している。ただし、人数の上限や通知の扱いといった細かい挙動の全文は、Meta公式の発表文では公開されていない。以降で「報じられている」と書いた仕様は、報道ベースの内容として読んでほしい。

報じられている仕様と挙動

Social Media Todayが伝える主な挙動は次のとおりである。

  • ユーザーはThreadsでつながっている相手を最大50人まで追加できる
  • リストを作ったあと、投稿時に「Threads Friendsのみ」を選べる
  • リストに入ったメンバーは、自分がリストに入っていることを確認できる
  • リスト内のメンバーが投稿にいいねや返信をすると、ほかのメンバーにもそのユーザー名と反応の種類が見える
  • 追加できる相手の居住地に制限はなく、テスト対象外の国のユーザーも加えられる

とくに重要なのは3つ目と4つ目である。Instagramの親しい友達は、リストの相手に「自分がリストに入っている」と通知しない運用が基本だった。Threads Friendsでは、メンバーが自分の所属を把握できると報じられている。さらに、メンバー同士の反応が互いに見える点も異なる。つまり、完全に一方向で静かに出し分ける機能ではなく、小さなグループの会話として設計されている可能性が高い。

この差は企業運用に直結する。誰がリストに入っているかが当人に伝わるなら、リストへの招き方や、入ったことへの意味づけをこちらで設計する必要がある。

公式情報で明らかになっていない点

現時点で、公式発表では明らかになっていない点は少なくない。

  • テスト期間と、全ユーザー向けの提供時期
  • 企業アカウント、ビジネスアカウントでの利用可否
  • Friends向け投稿のインサイト(閲覧数、反応数)の扱い
  • 予約投稿、外部ツール、APIからの投稿への対応
  • リストから外されたとき、当人に通知が届くか

企業が今すぐ運用ルールを固める段階ではない。テスト中の仕様は変わるため、上の項目が公式に示されるまでは、小さく試しながら観察する姿勢が適切である。

Instagramの「親しい友達」との違い

名前と発想が近いため、Instagramの親しい友達と同じものと捉えがちだが、報じられている範囲でも違いがある。

観点Instagram「親しい友達」Threads Friends(報道ベース)
目的ストーリーズ等を選んだ相手にだけ見せる小さなグループで投稿と会話を共有する
上限50人という上限は報じられていない最大50人
相手への見え方リスト内に入ったことは相手に伝わりにくいメンバーは自分が入っていることを確認できる
反応の可視性投稿者が反応を把握するメンバー同士の反応が互いに見える
提供状況広く提供済みアイルランド・イタリア・日本でテスト

Instagramの親しい友達は、配信先の絞り込みに主眼があった。Threads Friendsは、人数を50人に抑えたうえで反応を見せ合うので、少人数のコミュニティの性格が強い。Social Media Todayは、公開投稿から選んだグループでの共有へ軸足を移す流れを、エンゲージメントを高める狙いとして位置づけている。

Threads Friendsの仕組みと企業が確認すべき点を整理した図解 Threads Friendsの仕組みと、企業アカウントが確認すべき論点をまとめた図解。

なぜMetaは限定公開を強化するのか

背景として、Threadsはここ数か月で機能追加を重ねてきた。ライブチャットの拡張、プロフィールbioのステッカー、優れた投稿を表彰するGems、広告主のInstagram連携不要化などである。これらは「公開の場でどう伸ばすか」を軸にした機能が多かった。

一方で、公開の場は投稿のハードルが高くなりやすい。批判や炎上を恐れて、言葉を選びすぎる人が増える。限定公開の仕組みは、投稿の心理的な負担を下げて、投稿頻度そのものを底上げする狙いがあると考えられる。Instagramで親しい友達が定着した経緯を踏まえると、Threadsでも同じ論理が働く。

なお、これはMetaが明言した狙いではなく、報道と過去の機能設計から読み取れる方向性である。公式の説明が出るまでは、そうした推測の一つとして扱うべきだ。

Threads全体の使い方や企業アカウントの始め方は、Threadsとは?使い方・企業アカウントの始め方と2026年の活用ポイントで整理している。基本の運用設計から確認したい場合に参照してほしい。

企業アカウントは限定公開で何を出し分けるか

ここからは、企業アカウントの運用担当者向けの独自視点である。結論から言えば、Threads Friendsは「公開の代わり」ではなく「公開の前段」として使う発想が合う。以下は仮説であり、企業での利用可否は公式に示されていない。

出し分けの基本方針

公開投稿は新規の認知と信頼の獲得、Friends向け投稿は関係の深まった相手との会話に使う、と役割を分ける。

区分公開投稿Friends向け投稿(仮説)
主目的認知拡大、新規フォロー獲得関係の深化、継続利用の後押し
内容の例新商品の告知、公式見解、お役立ち情報開発の裏話、試作品の感想募集、先行情報
相手不特定多数常連客、モニター、社内外の協力者
反応の使い方数値でリーチを測る具体的な声を集めて改善に使う
失敗時の影響炎上リスクが相対的に高い影響範囲は小さいが、漏えいの恐れがある

具体例を挙げる。たとえば、季節限定の菓子を扱う企業が、発売の2週間前に試作品の写真をFriendsだけに共有する。50人の常連客から「甘さが強い」「パッケージの文字が小さい」といった声が集まれば、発売前に調整できる。公開投稿では見えにくい、少人数だからこそ出る率直な意見を拾える。

ファン限定コミュニケーションの設計

50人という上限は、運用の制約であり設計の軸でもある。数万人のフォロワーを持つアカウントでも、Friendsに入れるのは50人だけだ。そのため、入れる基準を事前に決めておく必要がある。

  • 購入回数や参加履歴など、客観的な条件で選ぶ
  • 入れ替えの周期を決める(たとえば3か月ごと)
  • 選ばれなかった人の不満を和らげる、公開投稿での代替企画を用意する
  • 選んだ理由を内部で記録して、担当が変わっても説明できるようにする

メンバーは自分が入っていることを確認できると報じられている。選ばれたという感覚は特別感を生むが、外された人にとっては逆の効果になる。リストの入れ替えを公表するかどうかも、あらかじめ方針を決めておきたい。

ライブチャットでの参加型施策との組み合わせも考えられる。Web対応が進んだライブ配信の機能については、Threadsのライブチャットに挙手機能とライブリアクションが追加、Web版対応も開始で取り上げた。公開の場で関係を作り、深まった相手をFriendsに招く流れは、実務として組みやすい。

避けたい使い方

Friends向けに投稿したことが、外では秘密にならない点には注意が要る。メンバーが画面を保存して外部に出す可能性は排除できない。さらに、メンバー同士の反応は互いに見えると報じられているため、投稿内容や反応からほかのメンバーが特定される場面もありうる。

そのため、次のような使い方は避ける。

  • 未発表の価格や提携など、漏れたら致命的な情報の共有
  • 個人情報を含む顧客の声の転載
  • 公開投稿では言えない、不正確な主張や過度な誇張
  • 景品表示法やステルスマーケティング規制に関わる表現を、限定公開だから緩めて書くこと

運用リスクと社内ルールの作り方

限定公開は、確認の目が届きにくい運用になりやすい。公開投稿であれば、第三者の目が自然な監視として働く。Friendsではそれが働かないため、社内の承認フローで補う必要がある。

想定されるリスク

  1. 情報漏えい:メンバーによるスクリーンショットの共有、誤って公開で投稿する操作ミス
  2. 投稿先の取り違え:Friends向けのつもりが公開になる、またはその逆
  3. メンバー管理の属人化:誰を入れたかを担当者だけが把握している
  4. 担当者交代時の引き継ぎ漏れ:リストと運用方針が引き継がれない
  5. 関係の不公平感:入れた人と入れなかった人の間に生じる不満

2の取り違えは現実的な事故である。投稿前の確認画面で、投稿先がどこかを声に出して確認する習慣を付けたい。複数人で運用する場合は、投稿前に第二の担当者が宛先を見る二重チェックが有効だ。

社内ルールの雛形

最低限、次の項目は文書化しておくとよい。

  • Friendsに入れてよい相手の基準と、承認者
  • Friends向けに投稿してよい内容の分類(OK例、NG例)
  • 投稿前チェックの手順(宛先確認、表現確認)
  • メンバーの入れ替え周期と記録の残し方
  • 漏えいが起きたときの連絡先と初動

プロフィール周りの設定を放置すると、運用ルールの不整合が起きやすい。bio機能の運用ルールについては、Threads、プロフィールbioにステッカー追加機能を導入。アニメーション・静止画に対応の考え方がそのまま使える。設置と撤去のルールを決めておく発想は、リストの管理にも通じる。

効果測定の考え方

Friends向け投稿のインサイトが提供されるかは、公式発表では明らかになっていない。仮に数値が取れない場合でも、次の定性指標で効果を見ることはできる。

  • Friendsから得た意見を、実際に商品や運用に反映した件数
  • Friends経由で公開投稿に流れた反応や引用の数
  • リストのメンバーが、のちに購入や参加へ進んだ件数

数字の絶対値よりも、少人数の声が意思決定に使われたかが指標になる。50人という規模なら、全員分の反応を手作業で一覧化しても負担は小さい。

日本のテスト対象入りが意味すること

日本が最初のテスト国に含まれたことは、国内の企業運用担当者にとって実務上の意味がある。Threadsは日本で広告テストが先行した経緯もあり、Metaにとって日本が重要な検証市場であることは、これまでの動きとも整合する。広告主のアカウント要件が緩和された件は、Threads広告、Instagramアカウント不要へ ユーザーネーム一致要件を廃止で扱っている。

テスト段階の機能は、全員に出るわけではない。テスト対象国に住んでいても、アカウントによって表示されないことがある。自社アカウントで機能が出ていなければ、焦って探す必要はない。出たときにすぐ試せるよう、運用ルールの下書きだけ先に作っておくのが現実的である。

優れた投稿を表彰するGemsのように、機能が国や期間を限って先行するケースは、Threadsでは続いている。この点はThreads「Gems」とは?優れた投稿・返信を表彰する新機能と企業アカウントの備え方で整理した。国ごとにテストが分かれる前提で、情報収集の習慣を持っておきたい。

今週から取れるアクション

テストの全容が公式に示されるまで、企業が取れる準備は次の3つである。

  1. 自社アカウントでの表示確認:アプリを最新版に更新して、投稿画面にFriendsの選択肢が出るかを確認する
  2. 対象候補のリストアップ:常連客、モニター、パートナーなど、50人に入る候補を内部で選ぶ。個人情報の取り扱いに配慮し、公開情報の範囲で整理する
  3. 投稿計画の下書き:試作品の感想募集や先行情報など、Friends向けに出す企画を3本程度考える

準備段階で、法務や広報と初期の確認を済ませておくと、機能が出たときの立ち上がりが早い。

よくある質問(FAQ)

Threads Friendsとは何か

Threadsで最大50人を選んで作る、限定公開の共有グループ機能である。リスト作成後、投稿時にFriendsだけを宛先にできる。Instagramの親しい友達に近い機能と報じられている。

いつから使えるのか

2026年10月29日時点で、アイルランド、イタリア、日本でテスト中と報じられている。全ユーザー向けの提供時期は、公式発表では明らかになっていない。

日本のユーザー全員が使えるのか

テスト対象は一部のユーザーに限られる可能性が高い。日本が対象国に含まれていても、すべてのアカウントに表示されるとは限らない。

追加できる人数の上限はいくつか

最大50人と報じられている。

追加された人はそれを知れるのか

報道では、リストのメンバーは自分がリストに入っていることを確認できるとされている。リストから外された場合の通知の扱いは、公式発表では明らかになっていない。

メンバーの反応はほかのメンバーに見えるのか

報道によると、メンバーがいいねや返信をすると、ほかのメンバーにそのユーザー名と反応の種類が見える。

対象国以外のユーザーを追加できるのか

追加できる相手の居住地に制限はないと報じられている。

企業アカウントやビジネスアカウントでも使えるのか

公式発表では明らかになっていない。テスト中は個人アカウント中心の提供となる可能性もあるため、自社の表示状況で確認する必要がある。

Friends向けの投稿の効果は測れるのか

インサイトの提供有無は、公式発表では明らかになっていない。提供されない場合は、集まった意見の反映件数など定性的な指標で見ることになる。

まとめ

Threads Friendsは、Threadsで最大50人に限定して投稿を共有できる新機能で、アイルランド、イタリア、日本でテストされている。メンバーが自分の所属を確認でき、メンバー同士の反応も見えると報じられており、静かな出し分けというより少人数の会話の場に近い。

企業アカウントにとっての要点は次の4つである。

  • 公開投稿は認知と信頼、Friendsは関係の深化と声の収集に役割を分ける
  • 50人の選定基準、入れ替え周期、外れた人への配慮を事前に決める
  • 投稿先の取り違えと漏えいを防ぐため、二重チェックと社内ルールを整える
  • 企業アカウントでの利用可否やインサイトなど、公式に示されていない点は仕様が出るまで断定しない

テスト中の機能は変わる。公式の続報が出た時点で、運用ルールを見直す前提で準備を進めたい。

出典

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