LinkedInがメニューを「You」「More」に集約する新UIをテスト、企業運用への影響を整理

misosil編集部

LinkedInが、アプリ内のナビゲーションを簡素化する新しいUIのテストを始めた。米Social Media Todayが2026年10月27日に報じたもので、デスクトップとモバイルの両方で、散らばっていたメニューを「You」と「More」に集約する内容だ。アイコンも刷新され、フィードのテキスト投稿は「…more」で折りたたまれるまでに表示される文字数が増えるという。

派手な新機能ではない。ただ、毎日LinkedInを開く運用担当者にとっては、アナリティクスや管理ページ、設定といった「いつも押す場所」が動く変更になる。マニュアルのスクリーンショット、社内の手順書、新任担当者への引き継ぎ資料は、画面が変わった時点で古くなる。

この記事では、報じられている変更点を整理したうえで、企業ページを運用するチームが事前に確認しておくべき項目を、導線の棚卸しという観点でまとめる。

LinkedIn新UIテストの概要

Social Media Todayの報道(執筆はAndrew Hutchinson氏、2026年10月27日付)によると、LinkedInは新しいナビゲーションの体験を、段階的にテストする方針だという。報じられている要点は次のとおり。

  • デスクトップとモバイルの双方でメニュー構成を簡素化する
  • プロフィールとアカウントに関する機能を「You」に集約する
  • 動画やニュースなどの発見系の機能を「More」にまとめる(デスクトップ)
  • アイコンを刷新し、アプリ全体の見た目を変える
  • フィードのテキスト投稿で、「more」リンクの手前に表示される文章が長くなる

LinkedInのデザイン責任者であるSarah Alpern氏は、LinkedIn上の投稿で、更新された「You」について「プロフィールとアカウントに関するあらゆるものを一か所にまとめる」という趣旨の説明をしているとされる。Social Media Todayは、この投稿とLinkedInのヘルプページを情報源として挙げている。同媒体はこの変更を「比較的小さな機能的変更」と位置づけている。

なお、これは正式な全面展開ではなくテストだ。LinkedInは段階的にユーザーへ提供するとしており、表示される要素は地域や言語によって異なるとされる。

モバイルとデスクトップで何が変わるか

モバイルアプリの「You」

報道によれば、モバイルでは「You」のスペースに、次の機能が集約される。

  • アナリティクス
  • 保存済みアイテム
  • 管理しているページ
  • 設定

プロフィールに紐づく個人向けの機能と、アカウント管理に近い機能を、ひとつの入口から辿れるようにする設計だ。複数のタブやメニューを行き来して目的の機能を探す手間を減らす狙いがあると説明されている。

デスクトップの「Profile」と「More」

デスクトップでは、メニュー自体の数を減らす整理が行われる。報道の内容を表にまとめると次のようになる。

場所アクセスできる機能(報道ベース)
Profileタブ(デスクトップ)アナリティクス、保存済み投稿、設定
Moreタブ(デスクトップ)パズルゲーム、ニュース、グループ、イベント、ニュースレター、動画
Youスペース(モバイル)アナリティクス、保存済みアイテム、管理しているページ、設定

デスクトップ側の記述には「Profile」タブとあり、モバイル側は「You」と呼ばれている。同じ「自分に関する機能の入口」が、端末によって名称を変えて置かれる構成になりそうだ。

「More」に入るもののうち、グループ、イベント、ニュースレター、動画は、企業が日常的に使う発信機能でもある。これらの入口が「More」の奥に移ると、押す回数が1回増える可能性がある。ここは運用上の影響が出やすい。

アイコンとフィードの変更

アイコンの刷新は、機能面ではなく見た目の変更だ。ただし、ナビゲーションのアイコンはスクリーンショット付きの運用マニュアルで最も目立つ要素のため、画面キャプチャの差し替えが必要になる場面は多い。

フィードでは、テキスト投稿の表示文字数が増える。従来は数行で「…more」に切られていたが、折りたたみ前に見える文章が長くなる。Social Media Todayは、クリエイターのエンゲージメントに寄与する可能性があると指摘している。一方で、1行ごとに改行を入れて見せ場を作る、いわゆる「broetry」形式の投稿は、折りたたみまでに見える情報量が変わるため、書式の見直しが必要になるかもしれないとも述べている。

LinkedInの新UIテストで変わる入口と企業運用で見直す項目を整理した図解 新UIで変わる入口と、企業運用で見直す手順を並べた図解。

日本のユーザーに表示されるのか

日本が対象かどうかは、現時点でLinkedInの公式発表では明らかになっていない。報道では、段階的テストであり、表示される要素は地域や言語によって異なるとされているのみで、対象地域や言語の一覧は示されていない。

自分のアカウントに新UIが出ているかどうかは、次の点で判別できる。

  1. モバイルで「You」を開き、アナリティクスと管理ページが同じ画面に並んでいるか
  2. デスクトップのナビゲーションに「More」タブがあるか
  3. 見慣れないアイコンに差し替わっているか

担当者ごとにアカウントで表示が違う状態が一定期間続く、と見込んでおくのが現実的だ。

企業アカウント運用者が確認すべき導線の棚卸し

ここからは報道の内容を踏まえた、運用側の見立てになる。LinkedInは今回のテストについて、企業ページ管理や広告管理の画面そのものがどう変わるかまでは説明していないと報じられている。したがって、確認すべきは「機能の有無」ではなく「入口の位置」だ。

1. 管理ページへの入口が個人側に寄る

モバイルでは、管理しているページが「You」に集約されると報じられている。企業ページの管理者は、自分のプロフィール配下から企業ページに入る形が強まることになる。

運用上の注意点は2つある。

  • 管理者権限が個人アカウントに紐づいているため、担当者の異動や退職時に、入口の位置と権限の整理を同時に見直す必要がある
  • 複数のページを管理している場合、「You」の中でどう一覧されるかをテスト中に確認しておく

LinkedInのナビゲーション変更としては、LinkedIn「Networkタブ」試験導入、つながり限定フィードで企業アカウントの投稿はどう扱われるかも直近の動きとして押さえておきたい。

2. アナリティクスの確認動線

アナリティクスがProfileタブまたは「You」に入ると、個人プロフィールの分析と企業ページの分析を取り違えやすくなる。週次レポートを作る担当者は、どの画面の数値を引いているかを手順書に明記しておきたい。

  • 個人プロフィールのアナリティクス
  • 企業ページのアナリティクス

この2つは別の数値だ。入口が近づくほど、キャプチャを貼るときの取り違えが起きやすくなる。報告書に「出典画面」の欄を足すだけで防げる。

3. 従業員アドボカシーへの波及

従業員に投稿のシェアや反応を依頼している企業は、案内文の見直しが必要だ。「画面下のホームから」「右上のメニューから」といった場所の説明は、新UIでは通じなくなる可能性がある。

案内するときは場所よりも、操作の目的で書くほうが長持ちする。

  • 悪い例:「右上の○○メニューから保存済み投稿を開いてください」
  • 良い例:「保存済み投稿から会社の投稿を開き、コメントしてください」

さらに、個人の発信強化という点では、LinkedIn、ブランド向け「クリエイター発見」機能をベータ導入 B2Bキャンペーンの調達を効率化や、LinkedInがデジタル名刺「ビジネスカード」を追加|QRコードとウォレット保存、企業の名刺運用はどう変わるかといった近年の機能追加も、従業員向け資料に反映する対象になる。

4. 発信機能の入口が「More」へ移るリスク

グループ、イベント、ニュースレター、動画が「More」にまとめられるなら、これらを定期的に更新している企業は、更新作業の動線が変わる。ウェビナーの告知をイベント機能で、定期配信をニュースレターで行っている場合、担当者の作業手順に1手間増える。

大きな問題ではないが、新UIが出た担当者と出ていない担当者が混在する期間に、手順書が一種類では足りなくなる。

5. 運用マニュアルの更新範囲

見直し対象を、影響が大きい順に並べると次のとおりだ。

優先度見直す資料理由
高管理者の権限付与・移管手順管理ページの入口が個人側に集約される
高週次・月次レポートの取得手順アナリティクスの入口が変わる
中従業員向けの投稿シェア案内場所の説明が通じなくなる
中イベント・ニュースレターの更新手順「More」配下になる可能性がある
低画面キャプチャ全般アイコン刷新で見た目が変わる

投稿設計への影響

フィードの表示文字数が増える点は、運用側の文章設計に関わる。

従来は、折りたたみまでの数行で読者の関心を引く必要があり、冒頭に結論や数字を置く書き方が定石だった。表示文字数が増えると、冒頭の1行で全てを決めなくてもよくなる可能性がある。一方で、改行を多用した短文の連続は、見える行数の中に収まる情報量が逆に少なくなり、読み応えが乏しく見えるリスクがある。

具体的には次のように見直せる。

  • 冒頭2〜3行に、主張と根拠の数字を両方入れる。例:「問い合わせが月12件から31件に増えた。変えたのはLPではなく投稿の書き出しだった」
  • 1行1文の連打をやめ、2〜3文を1段落にまとめる
  • 折りたたみ位置は端末と地域で揺れるため、冒頭だけで意味が通るように書く

長文化に備えるなら、投稿前に文面を点検する仕組みがあると安心だ。LinkedIn、誤字脱字だけを直す校正AI「Post Proofreader」を提供開始 Premium限定で『投稿を強化』を置き換えの動向も押さえておきたい。

折りたたみまでの文字数が実際にどれだけ増えるかは、公式には数値が示されていない。そのため、新UIが出ているアカウントで自社の過去投稿を開き、どこで切れるかを実際に確認してから書式を決めるのが堅実だ。

今後の見通しと対応の進め方

テスト段階の変更は、そのまま全面展開されるとは限らない。テストの結果を受けて細部が調整される可能性もある。今回の変更が定着するか、あるいは引っ込められるかは、公式には明らかになっていない。

運用側の現実的な進め方は次の3段階になる。

  1. 運用チームの全員に、新UIが出ているかどうかを申告してもらい、画面差分の一覧を作る
  2. 管理者権限、アナリティクス取得、イベントとニュースレターの更新という3つの手順を、新旧両方の画面で書き残す
  3. 全面展開が正式に告知されたら、手順書とキャプチャを一括で差し替える

先回りして資料を全面的に作り直す必要はない。差分のメモだけ持っておけば、正式展開の時点で更新は短時間で済む。

よくある質問

Q. 新UIは日本のアカウントにも表示されるか

日本が対象かどうかは、LinkedInの公式発表では明らかになっていない。報道では、段階的なテストで、表示される要素は地域や言語によって異なるとされている。

Q. 「You」と「More」には何が入るのか

報道によれば、モバイルの「You」にはアナリティクス、保存済みアイテム、管理しているページ、設定が入る。デスクトップの「More」には、パズルゲーム、ニュース、グループ、イベント、ニュースレター、動画が入る。

Q. 企業ページの管理画面は変わるのか

企業ページの管理画面そのものの変更は、報道では触れられていない。変わると報じられているのは、管理しているページへの入口の位置(モバイルでは「You」)だ。広告管理の導線についても、公式には説明されていない。

Q. 投稿の見え方はどう変わるのか

テキスト投稿で「more」リンクの手前に表示される文章が長くなると報じられている。具体的な文字数は示されていない。

Q. いまやるべき対応は何か

管理者権限の付与手順、アナリティクスの取得手順、従業員向けの案内文の3つで、画面上の場所の説明に頼っている箇所を洗い出しておくとよい。

Q. 新UIは自分で有効にできるか

テストは段階的にLinkedInが振り分ける形で、ユーザー側で選択する設定があるとは報じられていない。

まとめ

LinkedInの簡素化UIのテストは、機能追加ではなく入口の整理だ。モバイルでは「You」にアナリティクス、保存済みアイテム、管理ページ、設定が集まり、デスクトップではProfileタブと「More」に機能が分かれる。

企業アカウントの運用者にとっての要点は4つに絞れる。

  • 管理ページとアナリティクスの入口が個人側に寄る
  • イベント、ニュースレター、動画などの発信機能が「More」配下に入る可能性がある
  • 従業員向けの案内は場所の説明をやめ、操作の目的で書く
  • フィードの表示文字数が増えるため、投稿の冒頭設計を見直す余地がある

日本が対象かどうか、全面展開されるかどうかは、公式には明らかになっていない。まずは自社の担当者の画面を比べ、差分をメモしておくところから始めたい。

出典(参考)

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